ポテチ猫

ポテチのネタを中心としたブログです。

カルビーのコンソメWパンチを食べる

 

カルビーコンソメパンチ

塩、のり塩コンソメ。ポテチのフレーバーでまっさきに思い浮かぶのがこの3つだろう。

その一角を占めるコンソメといえば、カルビーコンソメパンチ。多くのポテチメーカーがコンソメ味をつくっているが、コンソメといえばカルビーコンソメパンチの印象が最も強いんじゃないだろうか。カルビーうすしお味によってポテチ市場に参入したのが1975年。翌年ののりしお、そして1978年にコンソメパンチを発売。

 

商品名は当時の流行語「パンチがきいている」が由来になっており、「パンチ」は”元気のよい””勢いのある”という意味で使われていました。強く印象の残る新商品を発売したいという想いから「コンソメパンチ」と名付けられました。

 

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特にコンソメパンチは爆発的なヒットになったらしい。そういえば、2018年はコンソメパンチ誕生から40年の節目だったんだな。まったく気がついていなかった。迂闊だった。

 

コンソメWパンチを食べる

光り輝く金色のコンソメWパンチのパッケージ。その金色のパッケージを開封すると、中から薄くスライスされ琥珀色のパウダーをまとった美しい姿が現れる。風味豊かな香りが鼻を刺激し、食欲を促す。私の中に存在する食欲を抑える理性がこの時点で跡形もなく破壊される。コンソメパンチ免疫なんてない。何度見ても、何度パッケージを開けても、何度食べても、コンソメパンチの伸びる手を止めることはできない。私の視界に映るのは琥珀色の美しいポテチのみ。

 

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原料は、こんな感じ。

  • ジャガイモ
  • 植物油
  • チキンコンソメパウダー
  • 砂糖
  • 食塩
  • でん粉
  • 粉末しょうゆ
  • 粉末ソース
  • 香辛料
  • たまねぎエキスパウダー
  • ビーフコンソメパウダー
  • 粉末植物油脂
  • ミルポワパウダー
  • 野菜パウダー(トマト、にんじん)
  • トマトエキスパウダー
  • 香味チキンオイル
  • 梅肉パウダー
  • 調味料(アミノ酸等)
  • 香料(ごまを含む)
  • カラメル色素
  • 酸味料
  • パプリカ色素
  • 甘味料(ステビア
  • 香辛料抽出物
  • ベニコウジ色素

 

健康狂いの人なら卒倒しそうなほどいろいろなものが入っているが、私などはこれを見ると開発者たちの試行錯誤と努力の跡を辿るような気がして楽しい。この組み合わせを編み出した職人芸にただただ関心するばかりだ。

 

ちなみに、見慣れない「ミルポワパウダー」とは、ミルポワ(たまねぎ、にんじん、セロリ)、にんにく、パセリなどをバターと白ワインと一緒に煮出したものをパウダー状にしたものだ*1

 

ただでさえ美味しいコンソメパンチ。そのコンソメ風味が2倍なのだ。美味しくないはずがない。ただ、コンソメWパンチはコンビニ限定発売なのだが、最近はコンビニでポテチを買うことが多くて、コンソメ味もコンソメWパンチが自分の中ではデフォになっていて、オリジナルのコンソメパンチとこのコンソメWパンチのどちらが通常なのかがもはやわからなくっている。

Wパンチが普通になっているから、コンソメ風味が2倍なのかどうかはもはや判別不能なんだが、そんなことはお構いなしに相変わらずこのコンソメ味っていうのは美味しいんだな。

うすしおのり塩に比べると複雑な味がする。そもそもコンソメはブイヨン(牛肉、鶏肉、魚などからとった出汁)に肉や野菜を加えて煮立てたもの。どこでコンソメスープを頼んでも、琥珀色の透き通ったスープが供されるわけだが、なんでもコンソメは濁っていてはいけないらしい。普通にこれらの材料を煮出せば相当にアクが出るはずだから、透き通ったコンソメスープを作るには相当な手間ひまがかかるのだろうな。

 

様々な材料が昇華された総和がコンソメ。各素材の痕跡を探すのは難しい。だから、コンソメ味はコンソメ味としか言いようがなくて、だからこそコンソメパンチ味はコンソメパンチ味としか言いようのない、オリジナルな味なのだ。誰が世界ではじめてコンソメ味ポテチを発明したかは知らないが、天才的なひらめきとしか言いようがない。出てくるのは賞賛の言葉のみ。

 

あっという間に完食。日々新しいポテチが世に送り出されているが、定番味の安定感は抜群だ。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

 

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カルビーのポテリッチのり塩バター味を食べる

 

アドラー心理学

アドラー心理学をもとにした『嫌われる勇気』で一躍有名になった岸見一郎氏はこう言う。

 

毎日を同じことの単なる繰り返しとは思わず、たとえ日々の生活のルーティンがほぼ決まっている人生ではあっても、今日という一日が決して昨日とは同じではないと思えれば、たしかに人生は、違ったふうに見えてくる。

そのような気持ちで始めた一日は、明日を待たずに完成している。その日が充実していれば、今日やり残したことに注意は向かなくなるものだ。そのように考えて生きれば、気がつけば長く生きたと思える日が、いつかくるかもしれないし、あるいはそんな日は永久にこないのかもしれない。しかし、それは結果であって、長く生きること自体は生きることの目標にはなり得ない。

現にささやかな幸福を実感している人であっても、こんな幸福がいつまで続くのだろうかと怖れ、いつ何時幸福が失われるかと思うと怖くなり、そんなささやかな幸福ですら感じてはいけないと思ってしまう。

この場合も、怖れから脱却するためには、今のこの幸福が持続するかどうかなどと考えないことが肝要だ。明日も幸福が持続するかどうかはわからない。どうなるかわからないとしても、今ここで感じている幸福には意味があるのだ。そもそも、こないかもしれない明日に賭けることはできないのだ(岸見、下記書、208-209頁)。 

 

幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵 (講談社現代新書)
 

 

 ポテチは健康に悪影響を与える食品の代名詞ともいえる存在である。私はこよなくポテチを愛するが、世の中の少なくない人からポテチを含むスナック菓子が敵視されていることは知っているし、私も健康を気にする人に無理にポテチをすすめようとは思わない。

 

今のところ私の人間ドックの成績は抜群によいが(血圧だけ低くてC評価になる)、いつ何時健康を害するかわからないし、もしかしたらもっと健康を考えてポテチを控えるべきだったと後悔する日がくるかもしれない。

しかし、だからといってそうなるかどうかわからない未来に憂いて好きなものを食べられない人生に何の意味があるだろうか。人間は健康になるために、長生きするために、この世に生を享けるのではない。どうなるかわからない未来に憂いて今目の前にある幸福を感じることに遠慮する必要はないのだ。今ある幸福を誰にも遠慮せずに感じること。それこそが自分の人生を意義あるものする唯一の方法であろう。

 

だから、私は今日もポテチの袋を開封する。もちろん、岸見氏がそんなことを正当化するためにその本を書いたわけでないことを心のどこかで感じながら。。。

 

 

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カルビーのポテリッチのり塩バター味を食べる 

今回はカルビーのポテリッチのり塩バター味だ。

 

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のり塩withバターとは幸福の香りしかしない。まさにキラーコンテンツ、最強タッグここに誕生である。両方とも定番のフレーバーながら、そう言われてみればのりバター味はお目にかかった記憶がない。新商品ではあるが、定番になってもおかしくないフレーバーの組み合わせだ。

 

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見た目は、通常ののり塩ほどがっつりのりが付いていないように見える。 

原材料は下記のとおり。カルビーに限らずバター味だとだいたい砂糖が入っている。バターの持つ甘みを演出するうえで砂糖は大事な演者なのだ。

 

ジャガイモ

植物油

砂糖

食塩

ぶどう糖

たん白加水分解物(大豆を含む)

でん粉

ホエイ

プロテイン

青のり

粉末しょうゆ(小麦を含む)

クリーム風味パウダー

焼き海苔

ガーリックパウダー

バターパウダー

調味料(アミノ酸等)

香料

甘味料(ステビア

 

さて、実際に食べてみると、思いのほかのり塩の存在感が薄い。目隠しされたらバター味と答えてしまうかもしれない。よーく味わっているとじわりじわりとのりの存在を感じ取れるようになる。もう少しのりが強いほうがのり塩バター感が出るような気もするし、バターの存在感の強さにのりが食われてしまったか。最強タッグのはずが個性の強い者同士、互いの活かし方に苦慮したか。それとも案外のりをこれ以上強くするとバランスが悪かったか。

カルビーが新たなフレーバーの開発までに何通り調味料の組み合わせを試すかは知らない。しかし、ライバル会社の湖池屋は新商品開発に数十種類の組み合わせを試すそうだ(数十種類で済むのは長年の経験の蓄積があるから。ちなみにこだわりのプライドポテトの開発時は300種類程度試した*1

カルビーだって湖池屋に劣らないか、もしかしたらもっと試しているかもしれない。となれば、のりが濃いバージョンも試したはずで、そのうえで店頭に並ぶ今の味に行き着いたわけで、今以上にのり風味が強いと美味しくないと判断された可能性は否定できない。

 

まあ、ああだこうだ言ったが、のり+バターなのだ。マズイはずがない。のり塩バター味も美味しくいただいた。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

 

 

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*1:拙著『ポテチ入門〜ポテトチップスを愛する人に捧げる書〜』4.3.3;「ものつくるひと 『KOIKEYA PRIDE POTATO』白井秀隆」『週刊ダイヤモンド』2017年11月18日号、126-127頁。

フラ印のハワイアンサワークリーム味を食べる

 

プリングルズサワークリーム&オニオン味をめぐる疑惑

2、3年前からプリングルズサワークリーム&オニオン味(以下、サワークリーム味)をめぐって一つの疑惑が持ち上がっている。すなわち、サワークリーム味がまずくなっているのではないか、という疑惑である。疑惑というか、ほぼほぼ満場一致で「まずくなっている」との結論に達している。私もそう思っている。

 

プリングルズといえばサワークリーム味、サワークリーム味といえばプリングルズ、と言っても差し支えないほど、サワークリーム味といえばプリングルズであったし、日本にサワークリーム味を広めたのは間違いなくプリングルズだ。私個人は塩味が好きなので、今ではまず見かけない赤いパッケージの「オリジナル」が好きだったが、私以外でプリングルズでオリジナルが一番好き、という人間を私は知らない。それくらいプリングルズのシンボル的な味だったのである。サワークリーム味は。

 

プリングルズを開発したP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)が食品事業から撤退し、ケロッグが商標権を取得したこと(2012年)、およびケロッグが2015年にマレーシアに新工場を設立し、アジア向けの大きさとフレーバーで生産を開始したこと*1サワークリーム味の劣化をもたらした要因であることは間違いない。

 

何が変わったって、一言でいえば、大きさが小さくなり、食感が軟弱になり、何よりサワークリームのパウダーが減ったことである。一言で言うはずが、一言では収まらない。要するにすべてが悪くなった、ということである。味覚は人それぞれながら、本件についてはほぼすべての人がサワークリーム味は劣化した、と答えるに違いない。

 

ケロッグは消費者の嗜好を頭の中だけで考えてしまったのではないか。たしかにアジア人はアメリカ人よりも体格は小さいし、概してあっさりした味を好む。というか、アメリカ的な濃いにもかかわらずどこか短調な味付けを好まない。甘すぎ!とか色がどぎつい!とか大きい!とかは、日本人の口から発せられるアメリカのお菓子に対する評価としておなじみである。だから、サイズを小さくしたり、味の濃さを抑えたりするのは、まあ、アジア向けの商品開発としてはハズレではないように思う。

自分だってアメリカ人から、日本人はどんな味を好むんだい?アメリカ的な味は受け入れられるかい?って聞かれたら、日本人はあっさりとした味付けや素材を味を生かす味付けを好み、量はそんなには食べない、と答えるに違いないのだ。一般的な傾向としてなら、この答えは正しいはずだ。だから、頭の中で描く日本人の嗜好のイメージであればケロッグが採用した方向性は理に適っている。

 

だが、プリングルズサワークリーム味に限っては当てはまらなかったようだ。そもそも小さくなって、しかも値段も同じなら喜ぶ人はいないだろう。それに加えてサワークリーム味はこれでもか!と振りかけられた大量のパウダーが実はよかったのだ。いや、変わるまではわれわれとてそれを意識してはいなかっただろう。

しかし、人間というのは悲しいもので失ってからその大切さに気づくのである。われわれはあの大量のパウダーがよかったのだ。ガツンっとくるあの大量のパウダーが好きだったのだ。

 

なぜにサワークリーム味に限っては味が濃くて大量のパウダーがよかったのかはわからない。普通は味が濃くて敬遠されても不思議はない。われわれ日本人に味覚を基準にすれば。ワイドショーに出ている鼻持ちならないコメンテーターであれば日本人の味覚が欧米化したせいだ、と短絡的に答えるだろうが、私も以前のプリングルズサワークリーム味が好きだったけれども、じゃあ、料理全般としてアメリカ的なものが好きかといえばそんなことはない。ときどき仕事でアメリカに行くが、やはり当地の料理はイマイチ受け付けないものがあるし、日本に帰国すれば、やっぱり和食は最高だーと思う。

 

要因の一つはサワークリーム味が日本になかったからではないか。少なくともプリングルズが広めるまでは馴染みのない味だった。日本でもよくある味であれば、意識せずともわれわれは味を比較する。比較すれば、日本的な味付けに軍配を上げる人がいても不思議はない。しかし、日本にない味であれば、プリングルズの味付けが基準となろう。

もちろん、それでも謎は残る。日本にない味であればなんでも海外の味付けが日本人に受け入れられるとは限らない。だから、日本になかった味だからこそ濃いめの味付けが受け入れられたのはありうるにしても、それだけでは説明ができない。時代背景を含めたさらなる考証が必要そうだ。

 

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フラ印のハワイアンサワークリーム味を食べる

と、長々とプリングルズサワークリーム味をめぐって書いてしまったが、本題は今回食べたフラ印のハワイアンサワークリーム味である。フラ印の特に「カイソルト味」は私が最も愛するポテチの一つである。私のみならず世間的な評価も高い逸品だ。

 

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そのフラ印のサワークリーム味である。カイソルトが好きすぎて、ときには違う味にしようと思いながら、結局カイソルト味を選択してしまうのだが、今回は意を決してサワークリーム味をチョイス。

 

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原材料は、こちら。

ジャガイモ、植物油、食塩、デキストリン、オニオンパウダー、脱脂粉乳、ホエイパウダー、サワークリームパウダー、チーズパウダー、パセリフレーク、ガーリックパウダー、酵母エキスパウダー、調味料(アミノ酸等)、香料(卵・オレンジ・大豆を含む)、酸味料、酸化防止剤(ビタミンC)

 

100グラムあたり510キロカロリー

 

味の劣化にもかかわらずサワークリーム味といえばプリングルズという構図は依然として存在するように思う。が、以前は他社がサワークリーム味を出してもプリングルズの牙城を崩すことは不可能に思われたが、敵失により他社もサワークリーム味の王座を狙えるサワークリーム味戦国時代に世の中は突入している、ようなしていないような。

 

それはともかく、プリングルズサワークリーム味一択とはいえない以上、他社のサワークリーム味も積極的にトライすべきである。

 

で、フラ印のハワイアンサワークリーム味だが、これはなかなかイケる。サワークリーム味でまずいポテチに出会ったことはないが(劣化したとはいえプリングルズサワークリーム味がまずいわけではない。以前が美味しすぎたがゆえの悲劇なのだ)、フラ印のハワイアンサワークリーム味も例に漏れず美味しい。

サワークリーム党であれば、もっとパウダーをかけろ、と言うだろう。サワークリーム系としては控えめな味付けである。しかし、ケトル製法によって厚く堅揚げされているぶんポテチとして食べ応えがあって、控えめな味付けを補っているように私個人としては思う。これはこれで一つの方向性としてありだ。

ただ、私はフラ印はカイソルトが好きすぎるので、フラ印買うならやっぱりカイソルトだなーと思うのである。カイソルトの完成度は高い。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

そのほか、食べたサワークリーム味はこちら。

 

 

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ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

 

 

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Kettleのアボカドオイルで揚げたヒマラヤ岩塩味(Himalayan Salt)を食べる

今回はKettleのアボカドオイルで揚げたヒマラヤ岩塩味(Himalayan Salt)である*1

 

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日本のポテチより揚げている時間が長いのだろうか、袋を開けるとやや焦げの混じった、それでいて食欲をそそる香ばしい香りが顔を襲う。184グラム入り。たんまり詰まっているから香りの量も倍増。この香りが、さあ今からポテチを食べるんだ、という背徳感を沸き立たせる。

 

Kettleは成城石井など輸入食品を扱うスーパーなどでも買えるから、プリングルズやLay'sと並び日本でよく知られた舶来ポテチの部類に入ろう。日本製の一般的なポテチよりやや厚めの歯ごたえのあるポテチ。量が多いとはいえ、日本で買うと300〜400円くらいするから、ちょっと高級なポテチという印象である。少なくとも私はずっとそう思っていた。包装もシックに作られていて、それもまたリッチ感を演出している。

 

Kettleの創業は1978年。当初は自然食品を売っていたが、1982年にはじめてポテチを販売する。別に自然食品から180度転換したわけではなく、少しでも加工食品を減らす、という理念はそこから受け継がられているという。英語版Wikipediaの情報によると、新しいフレーバー開発のために(消費者からの応募による?)コンテストを開催しているそうだ*2

 

私は一時期Kettleが好きで、でも高いし近所で売っているわけではないので、ご褒美的にたまにKettleを買っていた。TSUTAYAで映画のDVDを借りて、三ツ矢サイダーを買って、DVDをセットして、Kettleの袋を開ける。ポテチ&映画&三ツ矢サイダー。幸福の三位一体。これこそまさに学生時代の私の至福の時間であった。アメリカサイズの大容量だから幸せが長続きするのもうれしかった。食べても食べてもまだあるという幸福感。分厚くて一枚一枚に存在感があるのも、いかにもアメリカ的でなんて美味しいポテチなんだろうと当時とてもKettleを珍重していたように思う。舶来ポテチのなかで私はKettleを特別視していた。

 

就職してだいぶ気軽に買えるようになったから、あの頃の初々しさとありがたみはやや失われてしまったものの今でもKettleは好きだ。だからたまに米国に行くと、スーパーで必ずと言っていいほどKettleを買う。他のポテチも買うけれど、やっぱりKettleが一番美味しい気がするのだ。サワークリーム&オニオンやソルト&ビネガーなど様々なフレーバーがあるが、ほとんど塩味(sea salt)を食べる。

 

そんなわけで今回買ったのがアボカドオイルで揚げたヒマラヤ岩塩味というわけである。不勉強をそしりを免れないのだが、これまでアボカドオイルのKettleを知らなかった。

 

原材料は、

  • ジャガイモ
  • アボカドオイル
  • ヒマラヤ岩塩

と超シンプル。

 

アメリカの塩味ポテチは本当に塩だけしか使わない。時にはそれが味の深みという点で物足りなさを感じさせるが、分厚く油を多く含んだボリューム満点のアメリカポテチは食べ応え抜群で満足度が高い。塩味もけっこうしっかり効いている。シンプルながら油と塩のコンビネーションは食欲を喚起するベストな組み合わせの一つだと思う。やっぱりKettleが好きなんだよなぁ。

  

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

 

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カナダのMiss Vickie'sのSea Salt味を食べる

アメリカに滞在された方ならわかろうが、アメリカのスーパーで売られているポテチ一袋の量はすごい。家族や友人、恋人とならまだしも、少食の日本人を怯ませるに十分な巨大サイズである。そして日本人ならたいてい、こんだけ食べれば確かに太るよなぁ、といろいろ合点するのである。

 

アメリカのポテチ、特に塩味ポテチは本当に塩しか使われていないシンプルなポテチである。そしてケトル製法の堅揚げポテチが多い。日本のポテチに慣れた身にはそのシンプルさはやや物足りなく感じるときはあるものの、ケトル製法の塩味ポテチは最近は日本でもよく見かけるようになったとはいえ、いかにもアメリカ的でけっこう美味しくて、そして海外に来たなぁ、という旅情気分に私を誘ってくれる。

 

アメリカは広い。だから都市間移動は飛行機だ。で、飛行機移動だと早めに空港に着いてないといけないし、トランジットでも待ち時間がある。空港には気軽に食べられる小袋サイズのポテチがよく売られているから、この待ち時間は格好のポテチタイムだ。

 

そこで今回食べたのは、Miss Vickie'sの塩(Sea Salt)味である。

 

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 原材料はわずか3つのシンプル塩味。

  • ジャガイモ(Potatoes)
  • 植物油(Vegetable Oil (Corn, Canola, and/or Sunflower Oil)
  • 塩(Sea salt)

 

特に際立った何かがあるわけではない。至って普通のケトル製法塩味ポテチだ。でも、塩味がしっかり効いていて美味しい。移動で疲れた体を適度な塩分が癒してくれる。

それに日本ではあまり見かけないカントリー調のパッケージにも思わず頬が緩んでしまう。自分がいま日本ではなくアメリカにいることを実感させてくれるのだ。わずか40グラム。ペロリと平らげてしまう。日本のように鮮度よくザクっといく感じじゃない。でもなんか素朴でいい。Miss Vickie’sという商品名通り、田舎のお母さんが作ってくれたような素朴さがあるのだ。

 

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などと、Miss Vickie'sでアメリカ気分に浸っていたら、なんとこのMiss Vickie'sはカナダのポテチではないか。創業は1987年だから、伝統的なケトル製法を採用しているわりにけっこう新興の会社である。

 

The first bag of Miss Vickie's® potato chips was created in Canada in 1987 and, to this day, they’re still kettle cooked here using farm grown select Canadian potatoes. We crafted this recipe with care using quality, simple ingredients. We use special packaging so the chips stay crunchy, and taste fresh and great. Try all of our premium flavours to elevate your snacking moment – we hope that you enjoy them as much as we do.*1

 

同社製品は、トランス脂肪酸なし、低飽和脂肪酸、人工調味料・着色料不使用、保存料不使用、コレステロールフリーを謳っている。個人的にはあまりこういったことは気にしていないのだが、気になる人にとっては日本よりもアメリカのポテチのほうがいいかもしれない。

 

フレーバーのラインナップがなかなか乙で、12月23日現在だと下記の面々がウェブサイトに載っていた*2。日本でもおなじみのサワークリームオニオン味だって、わざわざキャラメル色になるまで炒めた(caramelized)とするあたり同社のこだわりを感じるというものだ。健康を意識した人向けだろうか、塩さえ使っていない無塩味(unsalted)まである。無塩味は「味」なのか?それとも意訳してジャガイモ味とでもすればいいのだろうか??個人的にはそういう過剰に健康を意識したポテチは好きではないのだが、これも世の中の趨勢というものだろう。

 

  • Parmesan & Roasted Garlic
  • Sweet Southern BBQ
  • Harvest Chedder & Herbs
  • Sour Cream & Caramelized Onion
  • Applewood Smoked BBQ
  • Original Recipe
  • Sea Salt & Molt Vinegar
  • Sweet Chili & Sour Cream
  • Lime & Black Pepper
  • Jalapeno
  • Balsamic Vinegar & Sweet Onion
  • Reduced Fat Original Recipe
  • Unsalted

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

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カルビーのポテトチップス北海道産ぽろしり使用昆布しょうゆ味を食べる

今回は、と言っても実際に食べたのは何週間か前なのだが、カルビー「ぽろしり」を使った「ポテトチップス北海道産ぽろしり使用 昆布しょうゆ味」である。

 

ニュースリリース 『ポテトチップス北海道産ぽろしり使用 オホーツクの塩味/昆布しょうゆ味』 | カルビー株式会社

 

この前食べたのは湖池屋の今金男しゃくを使ったポテチ。こだわりのジャガイモ続き、ということで、今回はカルビーのぽろしり使用ポテチを食べた、、、わけではなく、単に近所のスーパーに行ったらこのポテチがあったから、に過ぎない。ポテチにおけるジャガイモのこだわりについて何らシリーズ化するつもりはないし、シリーズ化させるほどの造詣もない。が、数あるポテチの中でこれにまず目が行ったのは、直前に今金男しゃくポテチを食べたからには違いないわけで、つながりが皆無とはいえないか。とまぁ、そんな薄いつながりで今回はカルビーの北海道産ぽろしりを使った昆布しょうゆ味ポテチというわけである。

 

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ジャガイモの違いなんて酔狂のレベルといえる。なぜならポテチには味付けがされているから、素材のジャガイモの品種の違いまで当てるのはほぼほぼ不可能だからである。取り寄せポテチの名店菊水堂の客の中には使われたジャガイモの違いに気付く猛者もいるそうだが、そんなことは常人にはムリだ。私にもムリだ。だから、ジャガイモの違いを楽しむのは酔狂というか雰囲気や季節の移り変わりを愛でるようなものだ。

 

そんなことは百も承知で、それでもいつもと違うジャガイモで作りました、という売り文句を見るとついつい買ってしまうのがポテチストの悲しい性。そして、そのポテチを今まさに食べた、というわけである。

 

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ぽろしりはカルビーがポテチのために開発したジャガイモ。せっかくポテチのために開発したジャガイモ使ってるんだからシンプルに塩味にするべきなんじゃねえの、カルビーさんよぉ、と思っていたら、ちゃんとオホーツクの塩味があった。抜かりなし。オホーツクの塩味はたまたま売り切れていたか、私が見落としたのだろう。

 

ぽろしりの名は北海道日高の幌尻岳に由来する。幌尻岳日本百名山の一つ。幌尻の語源はporosirでアイヌ語で大きい山の意。私は登山をしないが、ネットで検索すると日本百名山の中でも登山するに最難関の山とのこと。

 

本家の幌尻は厳しいが、こちらのぽろしりはひたすらに人間に優しい。

 

味は昆布しょうゆ味。かつおぶしやあさりのエキスパウダーも入っているから出汁醤油味に近い。出汁醤油なのだから、マズかろうはずがない。ぽろしり感はやっぱりわからないけど、ポテチは美味しくいただいた。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

  

 

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湖池屋の幻の今金男しゃく北海道の塩を食べる

 

湖池屋プライドポテトの幻の今金男しゃく北海道の塩味を食べる 

今回は、湖池屋プライドポテトの「幻の今金男しゃく北海道の塩」味を食べた。

 

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基本的にシンプルな塩味ながら、ブドウ糖とバターが入っていて、それもあるのかほんのり甘みを感じる。そして噛みしめていると遠くにバターがいる、ようにも思える。わずかだから原材料名を見たことによるプラシーボ効果かな、と思う程度のレベルであるが。

 

気持ち厚めにスライスされたポテチを頬張り、舌で転がせば、第一陣の塩味が訪れる。さらに転がし塩味が薄まってくると、今度は第二陣でジャガイモの甘みがやってくる。目隠しされてどれが今金男しゃくポテチですか?と問われて当てる自信はまったくないが、いつも食べているポテチよりも芳醇な感じもする。それにいつものポテチよりもそこにジャガイモが存在するような気がする。うむ、美味なり。

 

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そもそも今金男しゃくとは

そもそも今金男しゃくとは、ジャガイモの町として知られる北海道今金町でしか生産されていない希少なジャガイモである。『日本農業新聞』によると、今金男しゃくは、「でんぷん質が多く、甘くてほくほくした食感が楽しめる。土壌が肥えた今金町だから栽培できる、ジャガイモのトップブランドの一つ*1」とのこと。ただ、美味しいのだが栽培に手間がかかるため生産量が限られるようで、だからこそ「幻の今金男しゃく」というわけなのだ。

 

男しゃくいも自体、ポテチで使われることはほぼない。ジャガイモは生食用、加工用、デンプン用と種類が分かれていて、それぞれ向き不向きの品種がある。生食用では男しゃくやメークインなどが有名だが、糖度が高いがでんぷん量が少なくお菓子作りには向いていない。糖度が高いと美味しいのだが、その分焦げやすく、品質を安定させるのが大変。そのため、通常ポテチには加工用のジャガイモが使われる。具体的にはトヨシロやスノーデン、きたひめがあり、特にトヨシロが多用されている。これらの品種はくぼみが少なくて皮が向きやすく、糖質が抑えられているため油で揚げても焦げにくい、水分が少ないので薄くスライスしやすいといった特徴を持っている。

 

トヨシロなどでも美味しいポテチが作れる。さりとて、ポテチ職人なら生食用の超絶美味しいジャガイモでポテチを作ったらどうなるか挑戦したいと思うものではなかろうか。いや、もちろん今金男しゃくを使うのは希少性が売りになるというマーケティング的発想が根底にあるのはわかっているが、この希少ジャガイモでポテチ作りを厳命された湖池屋のポテチ職人たちは難題に頭を悩ませながらも、美味しいジャガイモでポテチ作りに挑戦できる千載一遇のチャンスに奮い立ったに違いない。

プライドポテトシリーズが登場したのは2017年2月。「秘伝濃厚のり塩」、「松茸香る極みだし塩」、「魅惑の炙り和牛」の三種類が第一弾として発売されて1年半以上が経過した。相変わらずプライドポテトシリーズはこだわってんなー、と感じさせる逸品であった。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

 

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*1:「コラボで伸ばせ希少食材」『日本農業新聞』2018年1月1日。