トーレスのキャビア味を食べる
私がここに来たのは、皆と生死をともにするつもりであり、王国と国民の名誉のために命を捨てる覚悟だからです(エリザベス一世、イギリスがスペイン無敵艦隊を破ったアルマダ海戦前の激励の言葉)
ポテチの歴史
さて、今更ながらポテトチップスの歴史を紐解いてみよう。
ポテトチップスを初めて作ったのは、ニューヨーク州のサラトガにあったムーン・レイク・ハウスホテルでコックをしていたジョージ・クラム(1828-1914)と言われており、ポテチの誕生は1853年のこととされる。ウィキペディアでもそのように紹介されている*1。
しかし、同じくウィキペディアでも英語版ではその歴史は1817年まで遡るとしている*2。
The earliest known recipe for potato chips is in William Kitchiner's cookbook The Cook's Oracle, first published in 1817, which was a bestseller in England and the United States.
私が今読んでいる食の専門家アンドルー・スミス氏の『ジャガイモの歴史」では、広く流布するのはクラム発明説としつつも、生のジャガイモを油で揚げるシェービング(削くずという意味)のレシピは1824年頃からアメリカの料理本に登場し、件のムーン・レイク・ハウスホテルでもクラムが雇われる前から供されていたとする(p.114)。
スミスの原著の出版は2011年、ウィキペディアの出典元は2014年のテレグラフ紙の記事だから、この3年の間に新たな発見があったのかもしれない。
揚げ物の技術は18世紀後半にフランスで発明されたそうだ(スミス、p.84)。単に揚げるだけなら、16世紀以降のヨーロッパでは一般的な調理法というから(同上、p.80)、もしかしたらポテチの歴史をさらに遡る新たな発見が今後あるかもしれない。
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トーレスのキャビア味を食べる
今回はトーレスのキャビア味である。会社近くにあるドラッグストアに売っていたので買った。私は鼻炎持ちで、鼻炎薬を買うことがドラッグストアに行った目的であり、鼻炎のせいかやや頭が重たい中でなんとなくこのポテチを手に取っただけである。どこにでもあるチェーンのドラッグストアであり、名前も聞いたことなかったので、どこかのマニアックな企業がテキトーに作ったのだろうと、特に値段も気にせず購入したのである。
で、購入した日には食べずに自分のデスクにストックしておいたのだが、後日成城石井に行くと同じブランドのトリュフ味が売っているではないか。しかも40グラムしか入っていないのに値段は300円もする。ありゃ、これは意外にしっかりしたものかもしれんぞ、と思いネットで調べてみると、スペインはバルセロナのメーカーで、材料にこだわったポテチとのこと。とんだ舶来品(?)ということがわかると、現金なもので途端にありがたみが湧いてくるから不思議なものだ。にしても、なぜあのフツーのドラッグストアがこんなポテチを扱っていたのかはナゾである。
肝心の味であるが、確かにキャビアとわかる。乾燥キャビアが入ってるらしい。ぶっちゃけそこまでキャビアをしっかり堪能したことはないし、いくらも含め私は魚卵がそれほど好きではないのだが、とはいえ、数少ない経験をかき集めてキャビアの味を思い出せば、確かにこんな味だった。コレステロールが高そうなちょっと重たい感じというか。
やや厚切りながら、口に入れるとパリッと軽くくだける。少ししょっぱめの味付け。しかし、だからこそ40グラムという少量でも意外に満足感がある。海外のポテチって必ずしも日本人の口に合うわけではない。しかし、このトーレスのポテチはなかなかイケるのではないか。スペイン艦隊を破ったイギリスよろしく、残りの味も早く平らげたいものだ。
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