湖池屋の魅惑の炙り和牛を食べる
第三者の目より恋をする男女を見れば、ひとつの痴態にすぎず、されど恋する男女にとりては、その痴態も真剣なり、真面目なり(国木田独歩)
じゃがいもで絶倫に??
じゃがいもはとても栄養価の高い食べ物だ。ビタミンCやカリウムが豊富で、他方カロリーは低い。イメージからするとビタミンCが豊富という印象のないじゃがいもであるが、かつてはビタミンCの欠乏によって発生する壊血病から船乗りたちを救ったほどの実力の持ち主である。
緯度の高いヨーロッパは野菜作りに向いた土地ではない。そんな土地でも育ち、かつ栄養価の高いじゃがいもはとても重宝された。そうした野菜ゆえか、下半身にエナジーを与える食材としても認識されていたようだ。アンドルー・スミスの本からの孫引きになってしまうが、17世紀の料理本『家庭の辞書、あるいは家政の手引』という本に掲載されたじゃがいもの効用に関する説明を紹介しよう。
ジャガイモの調理法には、(1)ゆでる、焼く、ローストする方法と(2)ブイヨンにする方法の2種類がある。・・・・・・ジャガイモの料理には腹下しを止める働きがあり、栄養に富み、虚弱体質を回復させる。ゆでたり、焼いたりしたジャガイモは、良質のバター、塩、オレンジやレモンの果汁、精製糖をつけて毎日食べられる。精子を増やし、性欲を旺盛にするため、男女ともに子供を授かりやすい体質になる。どんな腹下しにも効く(下記書籍、76-77頁)
特に生のじゃがいもは栄養価がとても高いのだが、実際に生で食べることは少なく、皮をむいたりゆでたりする中で栄養成分が損なわれてしまう。ともすれば、ポテチのように植物油で揚げた製品は脂肪やトランス脂肪酸が多くなるとして、むしろ栄養的に問題の多い野菜とみなされてしまっている。ビタミンCの熱への耐性という意味では、じゃがいもはほうれん草なんかよりも壊れにくそうなのだが、なんせ色が緑や赤といったいかにも栄養がありそうな感じでないのが、ややハンディキャップなのかもしれない。
湖池屋の魅惑の炙り和牛を食べる
さて、今回は湖池屋プライドポテトの魅惑の炙り和牛味である。湖池屋プライドポテトシリーズはいずれも人気であるが、特に人気の高かったこの商品は一時商品棚から姿を消していた。先日、近所のコンビニに行ったら販売を再開していたので、ついに食べることができたのである。
ちなみに和牛系のポテチを食すのはこれが初めてではない。先日滋賀に行ったときにご当地ポテチの近江牛焼肉味を食べていた。ところでそもそも論、ポテチでビーフ味を出すとして、それをさらに牛と和牛の差をつけることなんて果たして可能なのだろうか、と素朴なギモンを抱いたりもする。
滋賀ぽてっちは近江牛乾燥牛肉を使用していたが、湖池屋の和牛味はビーフエキスパウダーだ。その意味では滋賀ぽてっちのほうが和牛を名乗る正統性を持っていると言えようか。
で、肝心の味のほうだが、和牛?って言われると、それなりに多方面から突っ込みを受けそうな面はあるものの、とはいえ、なかなか美味い出来栄えである。力の入った感じが伝わってくる。炙った感じの香ばしさや牛の旨味をどことなく感じさせ、そして、胡椒がけっこう効いている。個人的な感想としては、和牛を炙るときってそんなに胡椒って効かせていない感じがする。たとえば焼肉だったとして味付けで胡椒はそんなに前面には来ないように思う。醤油系の味付けと和牛の組み合わせもあるならば、そんな和牛系ポテチも食べてみたいとふと思ったりもした。
ちなみに同じプライドポテトシリーズの秘伝濃厚のり塩味を食べたときの感想はこちら。
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