カルビー夏ポテト紀州南高梅味を食べる
ハプティクスでポテチをつかむ
近年の技術革新のスピードはとても速い。ロボットやAI、VRはつい最近まで試作段階かと思っていたが、どんどん実用化されている。支持率低下にあえぐ安倍政権が新たに策定した成長戦略「未来投資戦略2017」でもIoTやシェアリングエコノミーなどと並び、社会生活に関連する諸課題を解決する「Society5.0」実現に寄与する技術として、これらの最新技術に焦点が当てられている。
ロボットの実用化をさらに進めるものとして「ハプティクス」(力触覚技術)と呼ばれる技術がある。
昨年の7月26日の日経ビジネスオンラインでロボットアームがポテチを掴んだ、という記事が載っていた。
慶応義塾大学新川崎タウンキャンパス(川崎市)の一室に、ポテトチップスをアーム型ロボットでつかむという、一風変わった実験装置がある。手元にあるのはハサミの取っ手のような器具。離れた位置にあるアームが、それと連動して動く。取っ手を動かすと、アームもそれに応じて開いたり閉じたりする。ここまでは既に実現されているロボット技術。驚くのはこの後だ。
遠く離れたアームで、ポテトチップスをつかんでみる。アームに触れた瞬間、取っ手を持った手に、その感触が伝わった。強く握ると、ポテトチップスがパリッと割れた。その割れた際の感触も、まるで自分の手でポテトチップスを割ってしまったかのような感触を得ることができたのだ。
離れた物体の「感触」を手元に伝える──。これが、「ハプティクス(触覚技術)」と呼ばれる技術だ。硬い、軟らかいといった「圧覚」、触った時のつるつる、ざらざらを感じる「触覚」、押されたり引っ張られたりする「力覚」という3要素を組み合わせれば、自分が触っているかのような感触を遠隔に伝えることができるのだ。
慶應義塾大学理工学部システムデザイン科の大西公平教授らのチームが成功させた。
ロボットがポテチを掴んだ、とだけ聞けばむしろ牧歌的な香りがしてしまいそうなこの記事だが、繊細な力加減を可能にする高度な技術が使用されているのであり、産業や医療現場での応用が期待されている技術なのである。
この技術が汎用化され、大量生産が可能になれば価格は安価になる。そうなれば一般庶民も手を出せるようになるわけで、この技術を応用すれば、人にポテチを食べさせてくれるロボットの実現も夢ではない。人が手を汚さずにポテチを食べられる未来はもうすぐそこにまで来ているのである。もっとも塩と油がついた指先を舐めるのもそれはそれで幸せな瞬間ではあるのだが。
カルビー夏ポテト紀州南高梅味を食べる
そんな中、今回はカルビーの夏ポテト南高梅味である。新じゃが収穫に合わせて登場するこのポテチはもはや日本の夏の風物詩といってもよいだろう(よくない??)。
ニュースリリース 『夏ポテト対馬の浜御塩味/紀州の南高梅味』 | カルビー株式会社
梅味はいくらバカ舌な私でもすぐに識別できるし、酸味は夏の暑さを一時忘れさせてくれる。年齢を重ねるに従って酸味に弱くなっている気もするが、暑い国の料理、例えば四川料理にはしばしば酢が使われているし、タイ料理も辛さと酸味を組み合わせた料理が多いことを踏まえると、暑いときに酸味あるものを食べるのはきっといいことなのだろう。
実に夏にふさわしい一品であった。
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