ポテチ猫

ポテチのネタを中心としたブログです。

カルビーのポテチしょうゆ味四種を食べる

曲ニ誤リアリ 周郎、顧ミル (吉川英治三国志(五)』講談社、1989年、100頁)

 

 

三国志(5)(吉川英治歴史時代文庫 37)

三国志(5)(吉川英治歴史時代文庫 37)

 

 

 

カルビーのポテチしょうゆ味四種を比較する 

さて、今回はカルビーの醬油味ポテチ四つの食べ比べである。四つとはすなわち、

 

  • 関西だししょうゆ
  • 九州しょうゆ
  • 山わさび醤油味
  • 北海道バターしょうゆ 

 

 

 

山わさび醤油味と北海道バターしょうゆ味を残りふたつと並列して比べるのは比較対象としてふさわしくないのでは?という読者諸賢の指摘もあり得そうだが、 ここは両方ともしょうゆ味を名乗っているということでお許し願いたい。

バター醤油とわさび醤油は間違いようがないものの、九州しょうゆと関西だししょうゆくらいになると、味の差はやや小さくなってくる。カルビーはどうやってこの差を生み出しているのだろうか?

 

まずは原材料をもとに比較してみよう。

 

関西だししょうゆ 九州しょうゆ 山わさび醤油味 北海道バターしょうゆ
じゃがいも じゃがいも じゃがいも じゃがいも
植物油 植物油 植物油 植物油
粉末しょうゆ 粉末しょうゆ 粉末しょうゆ 粉末しょうゆ
食塩 砂糖 食塩 ぶどう糖
砂糖 デキストリン コーンスターチ 食塩
デキストリン 食塩 山わさびパウダー 脱脂粉乳
かつおエキスパウダー チキンエキスパウダー 還元水あめ バターパウダー(北海道バター100%使用)
ほたてエキスパウダー こんぶエキスパウダー たんぱく加水分解 マルチトール
みりんパウダー ねぎエキスパウダー 酵母エキスパウダー 乳糖
麦芽糖 唐辛子パウダー こんぶエキスパウダー でん粉
こんぶエキスパウダー 調味料(アミノ酸等) 調味料(アミノ酸等) 粉末酒
こんぶパウダー 香料 香辛料抽出物 調味料(アミノ酸等)
粉末酢 カラメル色素 香料 香料
酵母エキスパウダー 甘味料(ステビア、甘草) 酸味料 カラメル色素
調味料(アミノ酸等) 酸味料 甘味料(ステビア 酸味料
香料     苦味料
甘味料(ステビア      
着色料(カラメル、アントシアニン      
酸味料      

 

四つとも入っている原材料を赤、三つに入っているものを青で色分けしてみた。じゃがいも、植物油、粉末しょうゆ、食塩、アミノ酸のような当然の原材料を除くと、 全てに入っていてやや意外なのは酸味料だろうか。こんぶエキスパウダーがバターしょうゆを除く和風なしょうゆ味のポテチすべてに入っている。関西だししょうゆに至っては、こんぶエキスパウダーに加えてこんぶパウダーまで入っている。一体何が違うというのか?こんぶエキスパウダーのほうが旨味が凝縮されていそうな響きだが、だとすればこんぶパウダーはこんぶエキスパウダーの旨味の渦の飲み込まれ、その存在は誰にも気づかれない虚空の彼方に消え飛んでしまいそうである。この劣勢の中、こんぶパウダーはどこに自分の存在意義を見出し、密かにその自分の与えられた使命を果たしているのだろうか。ありのままの自分がもてはやされる昨今、こんぶパウダーは自分の居場所をしっかり見つけられたのだろうか?

 

さて、こんぶパウダーの居場所はともかく、話をしょうゆ味の比較に戻そう。

九州のしょうゆは一般的に甘みが強く濃厚な濃口しょうゆが多いと言われている。したがって、砂糖が原材料名の上位に位置しているのはよくわかるが、チキンエキスパウダーやねぎエキスパウダーなんてのも含まれる。九州しょうゆの独特の甘みや濃厚さを出すための原材料と推測されるが、この二つが含まれていないとどのような変化、というかどこらへんに物足りなさを感じるのだろうか。非常に興味あるところだ。

 

海産物系の味に必ずといっていいほど入ってるほたてエキスパウダー。今回の関西だししょうゆでもこいつがいい味を出している。

 

バターしょうゆ味の苦味料なんていう珍しい原材料もある。ぶどう糖や乳糖で甘さを加えつつ、最後に苦味を追加するなんて、なんとも手の込んだ芸当だ。

 

カルビーのポテチしょうゆ味四種を食べる

原材料を一通り眺めてみたところで、いざ実食である。

 

f:id:mtautumn:20170905001448j:plain

 

f:id:mtautumn:20170905001506j:plain

 

f:id:mtautumn:20170905001544j:plain

 

f:id:mtautumn:20170905001631j:plain

 

九州しょうゆからは甘さを感じる。何となく焼きとうもろこしを食べたような感じ。自分がバカ舌の可能性も捨てきれないが、九州しょうゆポテチの甘さがとうもろこしの甘さを連想させたのかもしれない。

 

関西だししょうゆは当たり前だが出汁の味。前述のとおり、ホタテエキスパウダーが海感を演出する。

 

九州しょうゆと関西だししょうゆに醤油らしさを感じる一方、食べ比べたせいか、バターしょうゆと山わさび醤油は、バターと山葵が際立つぶん、やや醤油らしさを感じにくいか。 

 

ところで、北海道産バター100パーセントを謳う北海道バターしょうゆだが、日本のバター生産量の約9割が北海道産だから、わざわざ断らなくても自ずと北海道産になるんじゃないかという素朴なギモンがある。

これまでは輸入バターを使ってきた可能性もあるが、バターは独立行政法人農畜産業振興機構(ALIC)の輸入独占となっており関税は高い。価格的にも調達量的にも輸入バターの比較優位はなさそうだから、これまでも北海道産バターだったんじゃないかなーってちょっと思ったりもする。

 

まぁ、バターしょうゆは鉄板の美味しさがあるから別にいいんだけどね。 

 

ごちそうさま。次はどのポテチを食べようか。

 

ちなみに冒頭の「曲ニ誤リアリ 周郎、顧ミル」とこの記事のどこに関係があるかと言えば、周郎=三国志の呉の名将周瑜(しゅうゆ)に関するエピソードであり、周瑜(しゅうゆ)と「しょうゆ」が響きが似ているというだけのことである。

 

f:id:mtautumn:20170905001842j:plain

 

 

スポンサーリンク