フジノネのあじのひものあじチップスを食べる
画竜点睛を欠く(ことわざ)
フジノネのあじのひもの味チップスを食べる
今回はあじのひものあじチップスである。静岡県の三島に行った際に購入したものだ。製造元の株式会社フジノネは熱海の会社だが、アジが獲れる伊豆半島のご当地ポテチといったところだろう。アジの干物とはなかなかに攻めているが、どこまで再現できるのか気になるところだ。そもそも再現できていれば嬉しいのか。再現されればされるほど生臭いんじゃないかという不安が頭をよぎる。あじのひものポテチという未知なる領域、じゃがいもとアジがどんなケミストリーを見せるのか、まったく想像ができない。
実食である。
味は日本のポテチ特有のアミノ酸が効いた味。カルビーの関西だししょうゆ味を連想させる旨味の強さだ。まあ、標準的で普通に美味しいといったところ。
・・・
いやいやいや、これは関西だししょうゆ味ではなく、アジの干物ポテチだったはずだ。なぜに鰹出汁の風味なのだ。
それにしてもアジらしさは一片も感じられない。再現度はゼロパーセントである。パウダーのかかり具合が少なかったのだろうか。疑問を抱きつつもさらにあじのひものポテチを食べ進める。
しかし、どんなに食べ進めてもアジらしさは全く出てこない。もともとポテチで表現するには難しい味だとは思うが、こうまで再現されていなくてもいいのだろうか。
あの香ばしいアジの干物の風味が効いてる!お酒のおつまみにもぴったり!
というのがこのポテチの売り文句。出汁の味は効いているからお酒のおつまみにぴったりというのは正しい。しかし、何度も言うがアジの味は全くしないのである。
狐につままれたような気持ちになりながら、裏面の原材料名を見る。
すると何ということだろう、原材料名にアジがどこにもいないではないか。鰹節エキスパウダーとエビ調味料粉末だけである、海産物要素は。鰹節エキスパウダーが入っているわけだから、どうりで出汁っぽい味がするはずだ。
ポテチの味を生み出すのは錬金術のようなものだ。今日、たくさんのポテチの味が世に送り出され、原材料名を見れば、よくこんな組み合わせを思いついたものだ、と驚嘆させられるものも多い。
だから、アジといいながら原材料名にアジが入っていないことはあり得ないことではないが、それにしても鰹節+エビでアジ味になるとは容易には想像できないし、事実、少なくともこのあじのひものポテチからアジの要素を見つけるのは困難だ。
鰹節出汁味だったら何の問題もないのだけど。
スポンサーリンク
今後のご当地ポテチへの挑戦に期待か
単純にアジの干物を乾燥パウダーにして振りかけただけでは味が再現できなかったか、生臭いとか他の問題が出たのか、原因は不明だが恐らく上手くいかなかったのだろう。そんなことはメーカーだって試したハズだからだ。再現の難しさに直面してもなおアジの干物味はやめましょう、と撤退できなかったのは、人には語れぬのっぴきならない事情があったのかもしれない。
それとも、最後の最後でアジのパウダーを入れ忘れたというまさかのアクシデントが発生したのか。。。
・・・
アジは伊豆半島を代表する海の幸だが、アジに劣らぬ名物が金目鯛であり、金目鯛といえば煮付けである。ざっとググったところでは金目鯛の煮付けポテチは見当たらなかった。煮付けのほうが再現しやすいのではないだろうか。
ご当地ポテチはとても楽しい。ご当地ポテチ探しは私の旅行の楽しみの一つだ。あじのひものポテチは出汁風味で味自体は悪くないのだが、確実に言えるのはアジの干物的要素はまったくないということだ。是非とも今度は金目鯛の煮付けポテチでリベンジを果たしてほしい。
ごちそうさま。今度は何味を食べようか。