ポテチ猫

ポテチのネタを中心としたブログです。

幻のじゃがいもの話&グランカルビーを食べる

一日一個のりんごで医者いらず(ことわざ。毎日りんごを食べると健康にいいという意味)

 

 

希少じゃがいも「今金男しゃく」と湖池屋のタッグ

以前書いたことがあるが、ポテチに使用されるじゃがいもは主にトヨシロ、スノーデン、きたひめであり、とりわけトヨシロがよく使われる。

これらの品種は、ぐぼみが少なくと皮がむきやすい、油で揚げたときに焦げにくい、水分が少ないので薄くスライスがしやすいという特徴を持っている。だから、ポテチに向いているのである。

 

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しかし、企業の商品開発への情熱はすさまじく、差別化のためにあえて希少なじゃがいもでのポテチ作りに挑戦することだってある。

最近の湖池屋は高級・こだわり路線に舵を切っているが、プライドポテトシリーズの一つ「今金男しゃく 幻の芋とオホーツクの塩」で使われている、今金男しゃくは、じゃがいもの町として知られる北海道今金町でしか生産されていない希少なじゃがいもだ。

 

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日本農業新聞によると、今金男しゃくは、「でんぷん質が多く、甘くてほくほくした食感が楽しめる。土壌が肥えた今金町だからこそ栽培できる、ジャガイモのトップブランドの一つだ。町内では原種から種芋、食用芋まで一貫した栽培にこだわ」っているじゃがいもで、ただ、栽培に手間がかかるので、生産量が限られるとのこと(「コラボで伸ばせ希少食材」『日本農業新聞』2018年1月1日)。

生産量が限られるから、生鮮は東日本でしか流通しておらず、それゆえ東海以西の消費者にはなじみがない。販路を広げたいと思っていたところ、希少性が売りになると見込む湖池屋が商談を持ち込み、両者の利益が一致、今金男しゃくを使ったこだわりポテチが誕生したというわけだ。

win-winの新商品開発なわけだが、湖池屋もJA今金も利他的だったわけではなく、己の利益の最大化を図った結果としてのこだわりポテチ誕生というわけで、資本主義バンザイ、神の見えざる手バンザイである。資本主義は完璧な経済体制と言うつもりはないが、神の見えざる手は不器用ながらもしっかりとわれわれに恩恵をもたらしてくれる。

 

「今金男しゃく 幻の芋とオホーツクの塩」は全国のコンビニやスーパーで購入できるが、当初はインターネットでの限定販売であり、いまでもオンラインショップ限定の今金男しゃく使用のポテチがある。残念ながら2018年1月2日現在では「完売御礼」となっている。今年も作られるかもしれないので、ポテチストは要チェックである。

 

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グランカルビーを食べる

話の流れからすれば、ここは湖池屋のポテチを紹介するべきなのだろう。しかし、いま手元にあるのは、湖池屋の永遠ライバル、カルビーのグランカルビーのポテチだ。こだわりポテチという点では、湖池屋の今金男しゃくポテチに引けを取るものではない。

ポテチ界の両巨頭がポテチ開発にしのぎを削ってくれるからこそ、われわれは美味しいポテチを食べることができる。両巨頭の戦いは価格150円前後のスーパー・コンビニポテチだけでなく、こだわりポテチの世界まで及ぶ。死闘と形容するに相応しいがっぷり四つの戦いは私のような凡人にとてもついていけるレベルのものではなく、ドラゴンボール世代ならわかる例えだろうが、天下一武道会の悟空たちのスピードについていけず、「見えない」とつぶやく観客の一人に私は成り下がるのだ。

 

と、こだわりつながりということで無理やりに話をグランカルビーに移そう。

 

バーニャカウダ味は先日紹介したので、今日は残りの、濃厚バター、チーズ、しお、塩キャラメル、焼き林檎だ。私が購入したのは2017年の11月であり、現在のグランカルビーのラインナップは変わっている。

 

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統計的には我が日本は戦後二番目の長さの好景気の只中にいるようだが、一介の会社員である私にその恩恵が及ぶことはなく、バブルのような熱狂はもう訪れないのだろうと半ば達観する日々を過ごすばかりだが、ことポテチの世界ではバブル期にさえなかった高級ポテチが世に出回っている。

 

グランカルビーの特色はポテチの厚みだ。面積的には普通のポテチより小さいが、厚みは薄めのせんべいくらいあるだろうか。厚みがあることで、よりじゃがいもの風味を楽しめるのだ。今金男しゃくポテチをこの厚みで食べてみたい、とふと思う。ここで、一つ一つの私の個人的感想を述べよう。

 

しお味

ロレーヌ産の岩塩を使っているというしお味。フランス北東部のロレーヌ地方で産出される岩塩は、まろやかな味わい。その岩塩を使っているからなのだろう、塩感はありながらもビリビリするようなしょっぱさではない。アミノ酸調味料が使用されている点で添加物を入れないしお味ポテチとはやや方向性が異なるかもしれないが、添加物フリーのしお味ポテチに物足りなさを感じることがないわけではないので、その意味ではグランカルビーは美味しさを優先したといえそうである。個人的にはこのグランカルビーしお味はなかなかの出来だと思うので、正月用に140グラムのビッグサイズを発売してほしかった。

 

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濃厚バター味

バター味を謳っているが、原材料名を見るとしょうゆパウダーも入っている。バターだけだと物足りないのか、それとも日本人にとってバター味は醤油と切っても切り離せないのか、はたまたバター醤油味だと安っぽくてグランカルビーにそぐわないと判断されたのか、そこらへんの内部事情は知る由もない。バターにもこだわりがあるのかもしれないが、私の鈍い味覚感知能力では、そこまで感じ取ることはできなかった。北海道産バターが使われているようだが、日本のバター輸入量は少ないし、生産量の8割以上が北海道だから、こだわりポイントは使用するバターの種類ではなく、量なのかもしれない。

事実、本製品にはバターパウダーが製品中0.3%含まれていると謳われている。通常のバター味系ポテチではもっと使用量が少ないということなのだろう。少ないなーと思う反面、それだけの量でも十分味がするのだから、むしろ山椒は小粒でもぴりりと辛いといったところか。

 

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チーズ味

これまた通常のチーズ味との差はわかりづらいが、クリームチーズパウダーが入っているためか、ほんのり酸味を感じられた。

 

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塩キャラメル味

袋を開けた瞬間にキャラメルの香りが広がる。味は映画館で売られているキャラメル味ポップコーンを彷彿とさせる。

 

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焼き林檎味

前回紹介したバーニャカウダ味を含めて、今回の6つの味の中で出色の出来栄えだったのが、この焼き林檎味だ。りんごはフランス語で「pomme de terre」(大地のりんご)というが、地上のりんごと大地のりんごが見事なハーモニーを奏でている。わずかに含まれる食塩がりんごの甘さを引き立てる。定番のしお味は安定のうまさを発揮しているが、普段食べられない焼き林檎味は意外性と完成度を兼ね備えていて、グランカルビーシリーズのスタメンとして固定してほしい。

 

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なんでこんな珠玉の組み合わせが今までなかったんだー、と私は一人吠えたのだが、それは単なる私の不勉強であり、実は湖池屋が2016年にすでにりんご味を市場に投入していたのだった。京橋千疋屋「非公認」とわざわざ明記するあたりも面白いが、それ以上につっこむべきところは、湖池屋が「活況を呈する朝食マーケットに対応する新商品」としてりんご味を開発したというところ。

 

koikeya.co.jp

 

アメリカでは付け合わせとしてポテチが添えられていることもあるから、別に朝食としてポテチを食べることがあながち不自然なわけではないが、日本ではあくまでおやつという位置付け。ポテチが主食って、そんなことあるわけないやんか、と思ったが、そういえばむかしむかしタレントの千秋がお菓子が主食って言ってたっけ。それにグランカルビーは60グラムで580円もするから、毎朝グランカルビーの焼き林檎味をブレックファーストに食べてまーすと言えば、さりげないセレブアピールとしても使えるのだ。

 

最後のほうは力尽きてやや味の紹介が雑になったが、ポテチの無限の可能性を感じられる一箱であった。

 

ごちそうさま。2018年もポテチをたくさん食べよう。

 

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