カルビーと湖池屋の辛味系ポテチを食べる:エスニカンとカラムーチョ
カルビーと湖池屋の辛味対決
カラムーチョは日本のポテチを代表するフレーバーだ。ポテチなんて食べないという人も、カラムーチョの名前を知ってるし、食べたことない人を探すことも難しいかもしれない。それくらい、カラムーチョは社会に根付いたお菓子と言えるだろう。
無論、私も生涯において何百袋というカラムーチョを食べてきたわけだが、ここ最近は新作ポテチやこだわりお取り寄せポテチに軸足を置く日々が続いたから、しばらくカラムーチョを食べていなかった。
そんななか、コンビニに行ったらカラムーチョの新作が出ていたし、さらに面白いのが、湖池屋に対抗するが如くカルビーが同社の辛味ポテチであるエスニカンを復刻発売していて、桜が散り始めたこの時期に二強の辛味ポテチ対決が突如として実現したのである。カラムーチョは新作も出ていたが、エスニカンと比べたかったので、商品棚にあったカラムーチョのホットチリ味を追加で購入した。
↑エスニカンのパッケージ裏
↑カラムーチョのパッケージ裏
食べる前に、エスニカンとカラムーチョのホットチリ味の原材料を比較しよう。
名前 | エスニカン | カラムーチョ |
メーカー | カルビー | 湖池屋 |
原材料名 | じゃがいも | 馬鈴薯 |
植物油 | 植物油 | |
チリパウダー | 香辛料(大豆を含む) | |
食塩 | 砂糖 | |
砂糖 | 食塩 | |
コーンスターチ | チキンエキスパウダー | |
オニオンパウダー | たんぱく加水分解物(乳成分・大豆を含む) | |
粉末しょうゆ(小麦・大豆を含む) | ぶどう糖 | |
チキンパウダー(豚肉を含む) | 野菜エキスパウダー(乳成分・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) | |
トマトパウダー | オリゴ糖 | |
酵母エキスパウダー | 調味料(アミノ酸糖) | |
唐辛子 | パプリカ色素 | |
ビーフパウダー | 酸味料 | |
ガーリックパウダー | 香辛料抽出物 | |
調味動物油脂 | カラメル色素 | |
香味油 | 香料 | |
調味料(アミノ酸等) | ||
着色料(カロチノイド、カラメル) | ||
酸味料 | ||
香料 | ||
甘味料(ステビア:乳成分を含む) | ||
香辛料抽出物 |
香辛料系が共通に含まれるのは当然として、違いがあるのは、エスニカンのほうが様々な原材料が使われていて、コーンスターチやトマトパウダー、ビーフパウダーなどが入っていることだろうか。余談ながら気になるのが、カルビーのチキンパウダー。チキンパウダーなのに、豚肉が含まれている。これいかに?
カルビーのエスニカンを食べる
まずはカルビーのエスニカンだ。今回は復刻版としての登場ということで、もともとは1986年に発売された商品。幼い頃食べたことがあったのかもしれないが、もはや記憶に残っていない。
その名が示すとおり、エスニック感覚のポテチを志向していて、パッケージの風合いからして、明らかにメキシコなどの中南米がイメージされているように見える。
はてなキーワードでは、エスニック料理とは、「韓国、ベトナム、アラブ、メキシコ、インド、タイのスパイシーな料理を指す場合がある」と説明されているものの、私個人としては、エスニックというと東南アジアを中心とする、アジア・アフリカ圏をイメージするのであった。それは決して私だけではないようで、たとえば、女を口説くため(?)のお店をたくさん紹介する『東京カレンダー』のおすすめエスニック料理は、すべてアジア・アフリカ系の料理で、中南米のものは一切入っていない。
エスニカンを実際に食べてみると、メキシコ料理によくあるトルティーヤのような感じがする。チリパウダーの風味も効いている。トルティーヤっぽく感じるのは、コーンスターチのせいだろうか?中南米では牛肉もよく食べられるから、ビーフパウダーも中南米っぽさに一役買っているかもしれない。全体的に、カラムーチョと比べるとだいぶ中南米感が強化されているように思う。
同じ辛味系ながら、カラムーチョとは一味違って、これはこれで美味しい。継続的に販売されていないことを踏まえると、当時はイマイチ根付かなかったか、カラムーチョの二番煎じと受けとられたか、なんにせよ期待したほどの売り上げがなかったのかもしれないが、なかなかどうして、定番品になってもおかしくないくらいちゃんと美味しいではないか。
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湖池屋のカラムーチョを食べる
お次はカラムーチョ。湖池屋を代表するポテチというより、もはや日本を代表するポテチと言っても決して誇張ではない。
カラムーチョの名前は、日本語の「辛い」とスペイン語の「ムーチョ」(たくさんの意味)を合わせた造語で、辛いポテチをたくさん食べて欲しいという思いが込められているそうだ*1。
エスニカンと比べるとマイルドに感じる。チキンエキスパウダーが効いているのか、辛さの中に旨味を感じる。カラムーチョとよくある非辛味系のフレーバーと比べるともちろんカラムーチョは辛いのだが、辛味系ポテチ同士で比べると、必ずしもカラムーチョが辛いわけではないことがわかる。そのためだろう、エスニカンと比べると旨味が感じられるのだ。この辛味系ポテチながら旨味が感じられるところが、カラムーチョが根付いた要因だと思った。
パッケージの裏面には、カラムーチョ発売当時は全く売れなかったという苦労話が載っている。カラムーチョが発売された1980年代前半は、スナック菓子は女性や子供向けで、辛いお菓子という市場は存在しなかった。だから、流通の反応は厳しく、200円という価格設定も100円前後が普通のポテチ価格からすれば、かなり割高感があった*2。さらに言えば、社内的にも当初はたいそう評判が悪かったそうだ。
ちなみに、こちらはアメリカで売っていたカラムーチョのHot Chili with Seaweed味を食べたときの感想。日本のカラムーチョにも砂糖は入っているものの、甘みは感じない。しかし、向こうで販売されていたカラムーチョはしっかり甘みが感じられたのだ。それにそれほど辛くもなかったし。
カラムーチョ厚切りベーコンペッパーを食べる
比較ではないけど、カラムーチョの厚切りベーコンペッパー味が発売されていたから、こちらも食べてみた。ペッパーがすごい効いていて、カラムーチョながら唐辛子系の辛さではなくて、ペッパー系のピリピリした辛さである。これはこれで美味しいけれど、カラムーチョならやはり王道の唐辛子系辛味のほうが個人的には好みである。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
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