深川油脂工業ののり南蛮味を食べる
今回は深川油脂工業ののり南蛮味である。こちらも先日の国産こめ油だけで揚げたポテチと同じタイミングで同社のウェブサイトで購入した。
そもそものり南蛮とはどういう味なのか、私はなんとなく宮崎名物のチキン南蛮的な、根拠なくタルタルソース+海苔的なものを想像していた(チキン南蛮発祥も諸説あり、元祖はタルタルソースを使っていないという説もあるようだが)。しかし、正解は南蛮漬けの南蛮、すなわち唐辛子(南蛮辛子)のことであった。唐辛子はポルトガルから伝来した野菜だったため、南欧西洋人や東南アジアを指す南蛮という語が用いられたわけで、その唐辛子と海苔を合わせたのがポテトチップスのり南蛮味なのである。
海苔と唐辛子の組み合わせは珍しくない。カルビーののり塩にも湖池屋ののり塩にも唐辛子または香辛料が入ってる。ちよっとしたピリッと感がのり塩のアクセントになるのだ(実際に唐辛子や香辛料の風味を感じるのは難しい。あくまで隠し味として)。その意味で海苔プラス唐辛子は一般的な組み合わせといえる。いや、でもフクハクののりしお味には唐辛子は含まれていなかったか。まぁ、それでもなお珍しい組み合わせではないとはいえるだろう。
違いを挙げるならば、深川油脂工業ののり南蛮は原材料が少ないこと。塩と海苔とあおさと唐辛子だけだ。とてもシンプル。酵母エキスパウダーやアミノ酸系の調味料は入らない。カルビーののり塩のようにごま油も入っていない。湖池屋とカルビーは塩とのりとあおさと唐辛子だけではコクや旨味が足りない、という判断やポテチの品質の安定化(収穫時期や地域、品種の違いによって味に差が出ないように)のために、他の調味料を加えているのだろうと想像する。
深川油脂工業 | 湖池屋 | カルビー |
じゃがいも | 馬鈴薯 | じゃがいも |
植物油脂 | 植物油 | パーム油 |
食塩 | 食塩 | 米油 |
焼海苔 | 青のり | 食塩 |
唐辛子 | あおさ | 青のり |
あおさ | 香辛料 | 唐辛子 |
酵母エキスパウダー | ごま油 | |
調味料(アミノ酸等) | 調味料(アミノ酸等) |
で、深川油脂工業ののり南蛮味を食べる。食べるとあおさの存在が際立つ。唐辛子のピリッと感もある。他社ののり塩味にも唐辛子は入っているが、唐辛子は隠し味程度で、ポテチを食べても唐辛子が入っているとはまず気づかない。だが、のり南蛮は唐辛子がしっかり存在する。ピリッとする。唐辛子の量が他社よりも多いのだろうが、調味料の数が少ないから、相対的に唐辛子感が際立つ。塩も効いていてシンプルながらなかなか切れのある味だ。
のり塩味は日本のポテチの定番だから、これまでもけっこう食べている。そういえば、ロサンゼルスではカラムーチョ Hot Chili with Seaweed味も食べていて、これがのり南蛮味に一番近そうだが、その実、Hot Chili with Seaweed味には砂糖が入っていてのり南蛮味とはまったく違う出来になっていた。日本ののり塩味には通常砂糖は入らないから、同じ湖池屋ブランドであっても日本のポテチと海外のポテチではけっこう違う味に仕上がるものだ、と感心したことを思い出す。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
↑五島列島のお土産「島わんこ」(猫も食べられる)を食べている。
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