ポテチ猫

ポテチのネタを中心としたブログです。

カルビーのポテリッチのり塩バター味を食べる

 

アドラー心理学

アドラー心理学をもとにした『嫌われる勇気』で一躍有名になった岸見一郎氏はこう言う。

 

毎日を同じことの単なる繰り返しとは思わず、たとえ日々の生活のルーティンがほぼ決まっている人生ではあっても、今日という一日が決して昨日とは同じではないと思えれば、たしかに人生は、違ったふうに見えてくる。

そのような気持ちで始めた一日は、明日を待たずに完成している。その日が充実していれば、今日やり残したことに注意は向かなくなるものだ。そのように考えて生きれば、気がつけば長く生きたと思える日が、いつかくるかもしれないし、あるいはそんな日は永久にこないのかもしれない。しかし、それは結果であって、長く生きること自体は生きることの目標にはなり得ない。

現にささやかな幸福を実感している人であっても、こんな幸福がいつまで続くのだろうかと怖れ、いつ何時幸福が失われるかと思うと怖くなり、そんなささやかな幸福ですら感じてはいけないと思ってしまう。

この場合も、怖れから脱却するためには、今のこの幸福が持続するかどうかなどと考えないことが肝要だ。明日も幸福が持続するかどうかはわからない。どうなるかわからないとしても、今ここで感じている幸福には意味があるのだ。そもそも、こないかもしれない明日に賭けることはできないのだ(岸見、下記書、208-209頁)。 

 

幸福の哲学 アドラー×古代ギリシアの智恵 (講談社現代新書)
 

 

 ポテチは健康に悪影響を与える食品の代名詞ともいえる存在である。私はこよなくポテチを愛するが、世の中の少なくない人からポテチを含むスナック菓子が敵視されていることは知っているし、私も健康を気にする人に無理にポテチをすすめようとは思わない。

 

今のところ私の人間ドックの成績は抜群によいが(血圧だけ低くてC評価になる)、いつ何時健康を害するかわからないし、もしかしたらもっと健康を考えてポテチを控えるべきだったと後悔する日がくるかもしれない。

しかし、だからといってそうなるかどうかわからない未来に憂いて好きなものを食べられない人生に何の意味があるだろうか。人間は健康になるために、長生きするために、この世に生を享けるのではない。どうなるかわからない未来に憂いて今目の前にある幸福を感じることに遠慮する必要はないのだ。今ある幸福を誰にも遠慮せずに感じること。それこそが自分の人生を意義あるものする唯一の方法であろう。

 

だから、私は今日もポテチの袋を開封する。もちろん、岸見氏がそんなことを正当化するためにその本を書いたわけでないことを心のどこかで感じながら。。。

 

 

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カルビーのポテリッチのり塩バター味を食べる 

今回はカルビーのポテリッチのり塩バター味だ。

 

www.calbee.co.jp

 

のり塩withバターとは幸福の香りしかしない。まさにキラーコンテンツ、最強タッグここに誕生である。両方とも定番のフレーバーながら、そう言われてみればのりバター味はお目にかかった記憶がない。新商品ではあるが、定番になってもおかしくないフレーバーの組み合わせだ。

 

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見た目は、通常ののり塩ほどがっつりのりが付いていないように見える。 

原材料は下記のとおり。カルビーに限らずバター味だとだいたい砂糖が入っている。バターの持つ甘みを演出するうえで砂糖は大事な演者なのだ。

 

ジャガイモ

植物油

砂糖

食塩

ぶどう糖

たん白加水分解物(大豆を含む)

でん粉

ホエイ

プロテイン

青のり

粉末しょうゆ(小麦を含む)

クリーム風味パウダー

焼き海苔

ガーリックパウダー

バターパウダー

調味料(アミノ酸等)

香料

甘味料(ステビア

 

さて、実際に食べてみると、思いのほかのり塩の存在感が薄い。目隠しされたらバター味と答えてしまうかもしれない。よーく味わっているとじわりじわりとのりの存在を感じ取れるようになる。もう少しのりが強いほうがのり塩バター感が出るような気もするし、バターの存在感の強さにのりが食われてしまったか。最強タッグのはずが個性の強い者同士、互いの活かし方に苦慮したか。それとも案外のりをこれ以上強くするとバランスが悪かったか。

カルビーが新たなフレーバーの開発までに何通り調味料の組み合わせを試すかは知らない。しかし、ライバル会社の湖池屋は新商品開発に数十種類の組み合わせを試すそうだ(数十種類で済むのは長年の経験の蓄積があるから。ちなみにこだわりのプライドポテトの開発時は300種類程度試した*1

カルビーだって湖池屋に劣らないか、もしかしたらもっと試しているかもしれない。となれば、のりが濃いバージョンも試したはずで、そのうえで店頭に並ぶ今の味に行き着いたわけで、今以上にのり風味が強いと美味しくないと判断された可能性は否定できない。

 

まあ、ああだこうだ言ったが、のり+バターなのだ。マズイはずがない。のり塩バター味も美味しくいただいた。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

 

 

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*1:拙著『ポテチ入門〜ポテトチップスを愛する人に捧げる書〜』4.3.3;「ものつくるひと 『KOIKEYA PRIDE POTATO』白井秀隆」『週刊ダイヤモンド』2017年11月18日号、126-127頁。