北海道フェアでかみさんが買ってくれた農協ポテチ「ふらのっち」のコンソメ味を食べる
近所のスーパーで北海道フェアをやっていた。そこでかみさんがポテチを買ってきてくれた。なんと愛しき妻であることよ。
かみさんが買ってきたのは農協チップス「ふらのっち」。
はじめて見るポテチである。
販売者は株式会社モントワール。製造元はふらの農業協同組合。世の中にはたくさんのポテチがあって自分が食したことがあるのはそのごく一部。そうは言ってもJAのポテチって見たことなかったなぁ。はじめは販売元だと思っていた。ポテチってジャガイモをスライスして油で揚げるだけのとっても単純なお菓子なんだけど、製造メーカーは意外に少ない。原料のジャガイモは生産時期が限られているから、通年生産するには貯蔵施設を持たなければならないし、管理が悪ければ腐ってしまって使い物にならない。糖度が高いジャガイモは美味しいけれど焦げやすい。自宅でも作れる単純なお菓子だけど、商品として安定したクオリティのものを作ろうとすると話はそう単純でなくなるのだ。
だから製造メーカーは意外に少ない。カルビー、湖池屋、山芳、菊水堂、松浦食品、フクハク、深川油脂工業、ヤマザキビスケットあたりが主要メーカー。シェアでいえば、カルビーと湖池屋で90%を超える。それでも日本各地に魅力的なご当地ポテチがあふれるのは、それらのポテチメーカーがOEMで委託製造をしているからだ。
そんなわけで、はじめはOEMだと思ったふらのっちだが、製造所は「ふらの農業協同組合」と書いてある。すごいなぁ、農協がポテチをちゃんと作っているんだなあ。
かみさんが買ってくれたのはコンソメ味。塩、のり塩に並ぶポテチフレーバー三巨頭の一角。
原材料はこんなところ。
ばれいしょ、植物油、砂糖、香辛料、肉エキスパウダー、たんぱく加水分解物、食塩、オリゴ糖、香味油、調味料(アミノ酸等)、酸味料、パプリカ色素、甘味料、香料、香辛料抽出物。
味は濃いめだ。ローカルなポテチだと味が薄いこともあるが、これはなかなか濃いめ。惜しみないパウダー量。ローカルなマイナーポテチだと侮っていたが、贅沢なパウダー使用ではないか。美味しい。これは心して食べなければ。
居住まいを正して食べ進める。厚みがあるポテチである。カルビーと湖池屋を比べると湖池屋のほうが厚い。その湖池屋よりも厚い。湖池屋の「じゃがいも心地」よりは薄い。でも、一般的なポテチとすれば厚めなほう。この厚みが贅沢感に一役買っている。
味もしっかりしているし、厚みと歯応えもよし。クオリティが高いポテチだ。
さて、ネットをサーフィンしていると、ふらのっちを取材したおもしろい記事を見つけた。
記事によると、ふらのっちは湖池屋とのコラボで誕生したそうで、ポテチが少し厚めなのは湖池屋の薫陶によるものか。でも、湖池屋よりもさらに厚みはある。厚いほうがジャガイモ食べた感があるからこの厚みにしたのかな。
「ふらのッち」の誕生は、2010年。富良野のじゃがいものおいしさをうまく表現できて、気軽に味わってもらえる加工品はないだろうか。そう考えた同JAが、南富良野町に工場を建設。大手スナックメーカー「湖池屋」と業務提携し、夢のコラボで商品化が実現しました。
「じゃがいものおいしさをうまく表現できて、気軽に味わってもらえる加工品はないだろうか」というコメントが何ともいいではないか。ポテチを含むスナック菓子って不健康とか、だらしない人が食べてる(カウチポテト)的な、っていうマイナスイメージがつきまとうんだけど、一番気軽に食べられるジャガイモ製品なんですよね。うまく使えば地域の食材のPRや産業振興に役立つわけ。
もちろん食べ過ぎはよくない。最大手のカルビーだって食べ過ぎはあかんと説いて回っているのだ。
政府の規制改革推進会議(前身の諸会議を含めて)ではJAの改革が盛んに促されているし、たしかに改革が必要な部分もあるとは思うが、こういう熱意をもってポテチ作りに取り組むJAがあるということを知ると、JAもまだまだ農家の所得拡大・地域振興に果たす役割はあるんだな、と応援したくなる。
そう思うのは兎にも角にもふらのっちが美味しいからだ。こういう商品どんどん作って欲しいなー。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
↑ベランダに来たヒヨドリを見つめる
ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。
表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。
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