ポテチ猫

ポテチのネタを中心としたブログです。

湖池屋のポテトの素顔を食べる

ちょっと前のことになるが、湖池屋の「ポテトの素顔」を食べた。事もあろうに塩味さえついていない、Nakedタイプのポテチ。

ある漫画がポテチをジャガイモ、油、粉が織りなす総合芸術と評したが、であるなら、ポテトの素顔はその一角を占める粉を使わない、ポテチの存在意義さえ否定しかねない異端児だ。キリストは父、子、精霊の三位一体だが、ポテチの粉に相当するのはこのうちのどれだろう?精霊が最も非日常的な存在だろうから、精霊に相当するのは、やっぱり粉か。

精霊=粉、粉=精霊とすると、ポテチから粉を剥奪するということは、キリストから精霊を抜いて父と子だけの二位一体にしてしまうに匹敵する暴挙なのである。

 

↑ある漫画とはこれ。 

 

 

二位一体ポテチに私は懐疑的である。

 

だって、粉があるからポテチなんじゃないか。添加物が健康至上主義者たちによって法難のごとき迫害を受けていることは無論知っているし、ポテチloveの私とて粉の食い過ぎはよくないとは思う。が、ポテチから粉を抜いたら一体何が残るのか。いや、ジャガイモは残る。油も残る。でもやっぱ物足りなくありませんか?

 

と、ひとしきり不満をぶちまけてみたものの、これはどうやら私の誤解もあるようで、実のところ湖池屋さんは健康をうたい文句にしていない。

 

近年、様々な分野において顧客ニーズの多様化が進行していると言われておりますが、ポテトチップスにおいても「自分好みの塩加減にしたい」、「アレンジをしてみたい」などのセルフカスタマイズに対するご要望をいただくようになりました。

1962年の「湖池屋ポテトチップス のり塩」発売以来、日本産じゃがいも100%にこだわり、55年間以上に亘ってポテトチップスを作り続けてきましたが、このようなお客様のニーズの変化の兆しを捉え、ポテトチップスの老舗として何ができるのかを検討した結果、原材料:じゃがいも・植物油のみのポテトチップスを数量限定で商品化することにしました。じゃがいもを植物油で揚げ、あえて味付けせずにじゃがいもだけで作るポテトチップスが完成しました。何も隠すところのない、ありのままの素顔のポテトチップスの味わいをぜひ、この機会にお試しください。

 

koikeya.co.jp

 

そう、湖池屋さんは、「ポテトチップスにおいても「自分好みの塩加減にしたい」、「アレンジをしてみたい」などのセルフカスタマイズに対するご要望をいただくようになりました」として、その要望に応えるために「ポテトの素顔」を作ったというのだ。そんなにセルフカスタマイズの要望があるとは知らなかったが、べつに健康至上主義者の軍門に降ったわけではなかった。一安心である。

  

さて、散々ぶつくさ言ってきたが、いざ開封し、いざ食べてみると、案外ありなんじゃない?!というお味。

 

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あれ、意外に美味いかも、というか、ジャガイモと油だけでもけっこう美味しくなるのね、という発見というか。

袋を開けたときも唯一ジャガイモの香りだけがする。ポテチというより、スライスされた揚げジャガイモと形容したほうがいいかもしれない。事実ポテチはスライスされたジャガイモを揚げたものなんだから、そう思って当然なのだが、ポテチという名詞が与えられている以上、スライス揚げジャガイモwith粉は、ポテチという名称の食べ物であって、断じて単なるthinly sliced and fried potatoesではない。

他方で、ポテトの素顔はそうしたハイカラさはなくて、子供のおやつなり晩御飯の一品としてジャガイモをスライスして揚げてみました、とも言うべき、なんというか家庭の手作りおやつ的な素朴さなのだ。

 

普通の湖池屋ポテチよりもしっかり揚げられている気がする。少し焦げみのある香ばしさが強いのだ。だからより一層家庭的な素朴さを感じるのだろう。自宅で手作りで作ってみたら、ちょっと焦げちゃった、てへっ、みたいな。揚げ方は他の湖池屋ポテチと同じかのかもしれないが、味がついていないぶん、はっきりと香ばしさを感じられる。Nakedポテチもまんざら悪くないじゃんか。

 

でも、まぁ、一袋全部食べ切る頃には少し飽きるかな。食べ切りにするなら一袋30〜40グラムで十分だ。それも無理はなかろう。湖池屋さんのうたい文句のとおりなら、ポテトの素顔はセルフカスタマイズを想定した商品であり、であれば、単品で完食することは想定されていないのだから。

単品で完食するとなれば、飛行機で供されるおやつでもいいんじゃないだろうか。飛行機に乗るとあられとかプレッツェルをもらえる。油で揚げると酸化問題が発生するし、ポテチは健康面から敬遠する人もいるけど、単純に味や食べ応え感なら機内おやつに向いていると思った。でも、これはポテチloveの私だからこその感想かな。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

 

 

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