山芳のわさビーフ、男気わさビーフ、ビーフジャーキー味を食べる
老いては子に従え(ことわざ)
山芳のわさビーフ、男気わさビーフ、ビーフジャーキー味を食べる
今回は山芳のわさび&ビーフシリーズである。
ビーフジャーキー味 わさビーフ仕立て | 商品一覧 | 山芳製菓株式会社
わさビーフは山芳を最も代表するポテチ。発売は1987年で、今年はちょうど30周年にあたる。それに伴い味もパッケージもリニューアルされたようである。新たなパッケージは第12代目。
ちなみに私が今回食べたのは我が家に備蓄してあったわさビーフのため、味もパッケージも旧バージョンである。完食して後悔するのは、せっかく備蓄わさビーフがあるのだから、新バージョンと比べてみたらよかったなーということ。
冷戦の終結と世代の推定とわさっちの名前
わさビーフのパッケージに描かれているウシの名前は「わさっち」。そんなにかわいい名前だったっけ?と思ったのだが、どおりで2015年に「わしゃビーフ」から改名されていたのだった。わしゃビーフのほうが山芳の破天荒ぶりがわかってよかったような気が個人的にはしている。わさっちなんて可愛げがある名前が似合うような商品ラインナップではないでしょう??
まぁ、これも長年続いた長寿アニメの声優さんが変わり、オールドファンが新しい声優さんに慣れないのと同じ、ある種の懐古主義なのだろうな。いずれ気がつかないうちに自分もわさっちの名前を当たり前のように発するときがくるのだろう。
私はアラフォー、大学では国際法や国際政治学を専攻していた。第二次世界大戦後の国際政治における重要な出来事といえば、まずもって「冷戦」であり、私も冷戦中にこの世に生を受けているのだが、それでも小学生のときにベルリンの壁が崩壊して冷戦が終わり、そしてしばらくしてソ連が滅んでいるから、冷戦の記憶はさほどない。1991年の湾岸戦争が初めてのリアルな(といってもテレビ画面を通じて見た)戦争だったわけで、大学生で国際政治を勉強すると、教授から「そっかー、冷戦あまり知らないんだー、若いなー」なんて言われたりしたものである。
その冷戦終結も30年近く前になり、冷戦後も1995年の阪神大震災とオウム真理教のサリン事件、2001年の同時多発テロ、2008年のリーマンショックとそれに伴う世界的な不況、中国(やBRICS諸国)の台頭、2011年の東日本大震災、イスラム国と世界的なテロの頻発、ポピュリズムの席巻といった様々な重大な出来事が世界および日本で発生した。最近の新入社員は冷戦はおろか、阪神大震災、サリン事件、同時多発テロの記憶さえほとんどないはず。さらに時代が進めば「えっ、BRICSってなんすか?」、「東日本大震災は歴史の教科書で習いました」なんてことになるのだろう。
どの重大事件を最も記憶しているか、それでおよその世代がわかるというもの。やがて、わさビーフのパッケージのウシを「わしゃビーフ」と呼ぶか「わさっち」と呼ぶかで世代の推定されてしまうときがくるはずだ。気軽に「わしゃビーフ」なんて呼んでしまっては、世の中からおじさん認定され、迫害の日々がはじまるのである。
わさっちのマンガ
山芳のウェブサイトではわさっちのマンガが公開されている。かなりかわいいキャラクターである。あえて繰り返すが、おじさん世代には山芳のイメージとこのかわいいキャラクターはなかなかマッチしない。
山芳のわさビーフ、男気わさビーフ、ビーフジャーキー味を食べる
さて、以下は今回食べた山芳わさび&ビーフ三人衆の比較表である。
わさビーフ | 男気わさビーフ | ビーフジャーキー味 わさび仕立て |
馬鈴薯 | 馬鈴薯 | 馬鈴薯 |
植物油脂 | 植物油脂 | 植物油脂 |
グラニュー糖 | 肉エキスパウダー | グラニュー糖 |
蛋白加水分解液 | ぶどう糖 | 粉末醤油 |
粉末醤油 | 食塩 | 蛋白加水分解液 |
ビーフパウダー | デキストリン | 食塩 |
食塩 | 蛋白加水分解液 | デキストリン |
粉末ソース | 野菜エキスパウダー | 酵母エキスパウダー |
酵母エキスパウダー | わさび | 乳糖 |
ガーリック | ブラックペッパー | わさびパウダー(長野県産100%使用) |
レッドペッパー | 調味料(アミノ酸等) | ビーフパウダー |
オニオン | 香辛料抽出物 | 調味料(アミノ酸等) |
オリゴ糖 | 甘味料(ステビア、スクラロース) | 香料 |
ぶどう糖 | 香料 | 香辛料抽出物 |
デキストリン | くん液 | |
わさびパウダー(長野県産わさび100%しよう) | 甘味料(ステビア、カンゾウ) | |
調味料(アミノ酸等) | 酸味料 | |
香料 | ||
甘味料(ステビア、スクラロース) | ||
カラメル色素 | ||
酸味料 | ||
香辛料抽出物 |
じゃがいもを「じゃがいも」とせず「馬鈴薯」とするのが山芳流。 男気わさビーフだけわさびが100%長野県産となっていない。粉末になっているから生産地の違いによって味に違いがでるかよくわからないが、男気わさビーフだけ長野県産としなかった理由があるのか。男気のツーンと感を出すには、他の場所で生産されたわさびのほうがよかったのかもしれない。
この三種類だとやはり王道のわさビーフのバランスのよさが際立つ。男気わさビーフは本気でツーンとくる。特にパウダーが濃密にふりかかっているやつを食べると、悶絶し、そして涙が出てきた。そうだ、これは山芳のポテチだった。彼らは遊び心を知っているが、同時にそこで手加減するような優しさは持ち合わせていないのである。
ビーフジャーキー味はしっかりとビーフジャーキー感が再現されているが、わさび味もちゃんと存在感を示しており、単にビーフジャーキーの味を再現するだけでなく、山芳の矜持も垣間みえる。
わさビーフは、わさびとビーフの旨味のバランスがいい。わさびの辛味が鼻を抜け、ビーフの旨味がそれを追う。
↑9月4日に発売30年を記念してパッケージがリニューアル。添付の写真は備蓄してあったわさビーフのため旧パッケージ
↑厚切りビーフジャーキーのおいしさUP!と書いてあるが、厚切りか薄切りかはポテチとして進化したいま、もはや関係ないのでは??
ごちそうさまでした。今度は何を食べようか。
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