カルビーのピザポテト、濃厚チーズ味を食べる
我が巨人軍は永久に不滅です!(長嶋茂雄)
カルビーのピザポテト、濃厚チーズ味を食べる
今回はカルビーのピザポテト、濃厚チーズ味である。
ピザポテトといえば、じゃがいも不足によるポテチ生産停止の象徴的な商品であり、一袋150円程度の商品がオークションサイトで何倍もの値段で取引されたことでも話題となった。
そのピザポテトの期間限定版がこのポテチなわけだが、濃厚チーズを謳うだけあってチーズの味が確かに感じられる。入れた瞬間よりは、バリバリ食べて残り香というか、口の中に残る余韻というか、ポテチの固形がなくなろうとするときにチェダーやゴルゴンゾーラの重たい風味が感じられる。私のバカ舌では4種類のチーズを言い当てるのはムリであるが、それでも通常のピザポテトよりはチーズの存在感が大きいことはわかる。
ここで気になるのが通常のピザポテトとの違いだ。下の表が原材料の比較である。濃厚チーズ味にエメンタール、チェダー、モッツァレラ、ゴルゴンゾーラが使用されているのに対して、通常のピザポテトはエメンタールとチェダーの2種類だけだ。また、通常のピザポテトにトマトや野菜の要素が添加されている一方で、濃厚チーズ味はおそらくチーズの味を前面に出す意図だろうか、トマトや野菜エキスパウダーは入っていない。
ピザポテト濃厚チーズ味 | ピザポテト |
じゃがいも | じゃがいも |
植物油 | 植物油 |
乳糖 | 乳糖 |
ぶどう糖 | 砂糖 |
でん粉分解物 | でん粉分解物 |
食塩 | チーズパウダー(エメンタールチーズパウダー、チェダーチーズパウダー) |
チーズパウダー(エメンタールチーズパウダー、チェダーチーズパウダー、モッツァレラチーズパウダー、ゴルゴンゾーラチーズパウダー) | ぶどう糖 |
砂糖たんぱく加水分解物(小麦、大豆を含む) | 食塩 |
酵母エキスパウダー | チキンエキスパウダー |
でん粉、 | ガーリックパウダー |
フライドガーリックパウダー | 酵母エキスパウダー |
調味料(アミノ酸等) | 野菜エキスパウダー |
香料 | ミート風味パウダー(小麦・大豆・豚肉を含む) |
乳化剤 | たんぱく加水分解物 |
酸味料 | トマトパウダー |
パプリカ色素 | 唐辛子 |
甘味料(アスパルテーム、L-フェニルアラニン化合物) | デキストリン |
パセリ | |
サラミ風チップ | |
調味料(アミノ酸等) | |
香料(りんごを含む) | |
酸味料 | |
乳化剤 | |
着色料(カロチノイド、カラメル、紅麹) | |
香辛料抽出物 | |
甘味料(ステビア) | |
くん液 |
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チーズって。。。
ところで、チーズが好きかと聞かれたら、まぁ、普通と私は答える。フレンチなりイタリアンのコースでチーズを選べたりするが、私は酒が弱く、ワインが取り立てて好きではないというのもチーズに対する思い入れが小さい理由の一つだろう。
ただし、正統派でないチーズ、すなわちスーパーで売っているとろけるチーズのようなああいったチーズは好きだ。ハンバーガーならチーズバーガーのほうが好きだ。とろけた食感とそれが周りの食材と渾然一体になったときの塩味とコクがプラスされた、あの感覚が好きなのだ。だから食べたことはないのだが、たぶん私はラクレットが好きだと思う。私にとってチーズとは味ではなく、とろけて舌にスライムのようにのしかかるあの重みと風味を味わうものなのだ。
フレンチやイタリアンにしょっちゅう行くわけでないから特に困るわけでもないのだが、こういったときにチーズの蘊蓄の一つも語れるのが大人だとすれば、私の大人への道のりは遠く険しいものと言わざるを得ない。チーズについて何も語ることのできない、そんな私にできることといえば、蘊蓄語るオヤジはウザいというネットニュースを見て溜飲を下げることだけだ。
それにしてもワインとチーズという蘊蓄界の二大巨頭について何も語れないというのは飛車角落ちとも言うべき惨状である。ポテチならば少しは語れようが、そもそもこの話題にそれほど需要があるのか甚だ疑問である。需要がないのにひたすらポテチについて語るような人間にはなりたくない。それこそネット界隈で蛇蝎のごとく嫌われるワインとチーズの蘊蓄オヤジ以下の所業と言わざるを得ないだろう。強く自分を戒めたい。
それで話をピザポテト4つのチーズ味に戻せば、こちらも美味しいとはいえ、やはり軍配は普通のピザポテトに上げたい。別に世のワイン蘊蓄オヤジやチーズ蘊蓄オヤジを僻んでいるからではない。まして、それに釣られる淑女たちに恨みがあるわけでもない。このことはキッチリと断っておかなければ、私の沽券にかかわるというものだ。その点読者諸賢はゆめゆめ誤解することなかれ。
別に濃厚チーズ味がまずいわけではない。むしろその逆でちゃんと美味しい。だが、普通のピザポテトがそれ以上に美味しいのだ。ピザポテトはすでに完成された味だと私は思う。完成された味を超えるのは至難の業だ。国民的スーパースターである長嶋茂雄を父に持つ一茂にかかるプレッシャーはどれほどのものであったろうか。ピザポテト4つのチーズ味の責任ではなく、偉大なる父を持つがゆえの不幸といえよう。
ごちそうさま。次はどのポテチを食べようか。
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