ポテチ猫

ポテチのネタを中心としたブログです。

パッケージを新たにした湖池屋ののり塩を食べる

生来、人間の能力に大差はない。その後の精進によって大きな違いが生まれる孔子) 

 

 

湖池屋ポテチのパッケージに「日本産じゃがいも100%」の文字が

今日の日本のポテチの代表格、その一つにのり塩を挙げることに反対する読者諸賢はいないだろう。

そして、その日本オリジナルのフレーバーを生み出したのが湖池屋であることはすでによく知られている。

 

koikeya.co.jp

 

そんな湖池屋ののり塩ポテチのパッケージに最近「日本産じゃがいも」の文字が打ち出されているのをご存知だろうか?

 

f:id:mtautumn:20171008110556j:plain

 

f:id:mtautumn:20171008110624j:plain

 

湖池屋の国産アピール戦略

もともと輸入じゃがいもを使っていたわけではない(実際前のパッケージでも「国内産じゃがいも」って書いてあったし)。ポテチに使用されるのは糖分が少なく加工しても焦げにくい「トヨシロ」や「スノーデン」といった品種であって、それらのほとんどは国内で調達される。輸入はあくまで「不作時の調整用」である。輸入ものは不良率が高く、輸送費を含めるとコスト高になるとのこと。したがって、加工適正を考慮しても日本産に優位性があるそうだ*1

 

となれば、べつに今さら日本産をアピールしなくてもいいじゃん、というもっともな問いが浮上する。

 

が、どうやら「日本産」をアピールするにはちゃんとわけがあるようで、上記の日本農業新聞の記事によると「国産原料をこだわり製法で仕上げた高価格商品に活路を求める」方針の表れとのこと。確かに湖池屋はプライドポテトシリーズを投入することが示すとおり、最近はこだわり高級路線にシフトしているように思える。

「国産」ではなく「日本産」としているのもオリンピックで日本選手を応援してしまうようなちょっとした日本びいきを喚起する。「国産」と同じ意味なのに「日本産」としたほうがより「日本!!」って圧を感じるから不思議だ。ちなみに裏面の原材料名に記載されている馬鈴薯も、以前は単に「遺伝子組換えではない」としか表示されていなかったのが、新パッケージでは「日本:遺伝子組換えではない」と微妙に変えられている。なんとも芸が細かい。

 

少子高齢化による日本市場の縮小が叫ばれるようになって長い年月が経過するが、ポテチ業界にとっても市場縮小は人ごとではなかろう。この先もポテチ業界でやっていくには、単価を上げるか海外市場に打って出るか、この二つくらいしか選択肢がない。

ただ、前者の単価引き上げは容易ではない。だいたい湖池屋カルビーも山芳もポテチの値段は同程度である。特に湖池屋カルビーうすしお、のり塩、コンソメの基本味はかぶっている。よほどの湖池屋ファン、カルビーファンでもない限り、カルビーうすしおじゃなきゃダメ!、湖池屋ののり塩じゃないとユルせない!なんて青筋立てて声高に叫ぶ人はおらず、たいていの人にとって両メーカーの商品は代替可能なのだと思う。

 

となれば、湖池屋だけ単価を引き上げるとカルビーやその他のメーカーにお客さんが流れてしまう。それを避けるためには、湖池屋の商品が他社とは違うものであり、代替できないと思ってもらわなければならない。湖池屋がこだわり路線を追求するのはそういった考えに基づくのではなかろうか。

今のところこだわり高級化路線はカルビーよりも湖池屋が先行しているように見えるが、この差が今後さらに拡大するのか、カルビーがさらなる妙手を編み出して逆転を図るのか、ポテチ業界からまだまだ目が離せない。

 

f:id:mtautumn:20171008110638j:plain

 

味の感想

で、肝心の湖池屋ののり塩の味の感想は、過去記事を参照していただけるとうれしい。

 

mtautumn.hateblo.jp

 

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

f:id:mtautumn:20171008110655j:plain

 

 

スポンサーリンク

 

 

*1:「ポテチショックー原料調達手広く」『日本農業新聞』2017年10月2日