深川油脂工業ののり南蛮味を食べる
今回は深川油脂工業ののり南蛮味である。こちらも先日の国産こめ油だけで揚げたポテチと同じタイミングで同社のウェブサイトで購入した。
そもそものり南蛮とはどういう味なのか、私はなんとなく宮崎名物のチキン南蛮的な、根拠なくタルタルソース+海苔的なものを想像していた(チキン南蛮発祥も諸説あり、元祖はタルタルソースを使っていないという説もあるようだが)。しかし、正解は南蛮漬けの南蛮、すなわち唐辛子(南蛮辛子)のことであった。唐辛子はポルトガルから伝来した野菜だったため、南欧西洋人や東南アジアを指す南蛮という語が用いられたわけで、その唐辛子と海苔を合わせたのがポテトチップスのり南蛮味なのである。
海苔と唐辛子の組み合わせは珍しくない。カルビーののり塩にも湖池屋ののり塩にも唐辛子または香辛料が入ってる。ちよっとしたピリッと感がのり塩のアクセントになるのだ(実際に唐辛子や香辛料の風味を感じるのは難しい。あくまで隠し味として)。その意味で海苔プラス唐辛子は一般的な組み合わせといえる。いや、でもフクハクののりしお味には唐辛子は含まれていなかったか。まぁ、それでもなお珍しい組み合わせではないとはいえるだろう。
違いを挙げるならば、深川油脂工業ののり南蛮は原材料が少ないこと。塩と海苔とあおさと唐辛子だけだ。とてもシンプル。酵母エキスパウダーやアミノ酸系の調味料は入らない。カルビーののり塩のようにごま油も入っていない。湖池屋とカルビーは塩とのりとあおさと唐辛子だけではコクや旨味が足りない、という判断やポテチの品質の安定化(収穫時期や地域、品種の違いによって味に差が出ないように)のために、他の調味料を加えているのだろうと想像する。
深川油脂工業 | 湖池屋 | カルビー |
じゃがいも | 馬鈴薯 | じゃがいも |
植物油脂 | 植物油 | パーム油 |
食塩 | 食塩 | 米油 |
焼海苔 | 青のり | 食塩 |
唐辛子 | あおさ | 青のり |
あおさ | 香辛料 | 唐辛子 |
酵母エキスパウダー | ごま油 | |
調味料(アミノ酸等) | 調味料(アミノ酸等) |
で、深川油脂工業ののり南蛮味を食べる。食べるとあおさの存在が際立つ。唐辛子のピリッと感もある。他社ののり塩味にも唐辛子は入っているが、唐辛子は隠し味程度で、ポテチを食べても唐辛子が入っているとはまず気づかない。だが、のり南蛮は唐辛子がしっかり存在する。ピリッとする。唐辛子の量が他社よりも多いのだろうが、調味料の数が少ないから、相対的に唐辛子感が際立つ。塩も効いていてシンプルながらなかなか切れのある味だ。
のり塩味は日本のポテチの定番だから、これまでもけっこう食べている。そういえば、ロサンゼルスではカラムーチョ Hot Chili with Seaweed味も食べていて、これがのり南蛮味に一番近そうだが、その実、Hot Chili with Seaweed味には砂糖が入っていてのり南蛮味とはまったく違う出来になっていた。日本ののり塩味には通常砂糖は入らないから、同じ湖池屋ブランドであっても日本のポテチと海外のポテチではけっこう違う味に仕上がるものだ、と感心したことを思い出す。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
↑五島列島のお土産「島わんこ」(猫も食べられる)を食べている。
スポンサーリンク
深川油脂工業の国産米油だけで揚げたポテトチップスを食べる
深川油脂工業のウェブサイトから国産米油だけで揚げたポテトチップスを購入した。
深川油脂工業は米油の製造販売をする米油の専門家。その深川油脂工業が自信をもって世に送り出すのが国産米油100パーセントポテチである。このポテチは、国産農産物・食品のプロモーション事業であるフード・アクション・ニッポンで、2014年に審査員特別賞を受賞している。フード・アクション・ニッポンは、農水省が2008年に推進本部を設置したことによってスタートし、日本の食料自給率向上を目的とし、2018年3月23日現在で、10,192社・団体が推進パートナーとなっている。
国産米油100パーセントポテチが国産にこだわるのは米油だけではない。このポテチはシンプルな塩味で、原材料はジャガイモと植物油(米油)、塩のみ。で、この3つの原材料すべてが国産なのである。まあ、多少冷めたことを言えば、日本は「衛生植物検疫措置」(SPS)のもと生鮮ジャガイモの輸入を制限しているから、そもそも輸入ジャガイモでポテチを作るメリットがほとんどないわけだが。それゆえ、ただいま中国をはじめ世界中を相手に貿易戦争を繰り広げているトランプ政権は、日本のポテチ用ジャガイモに関連する規制を貿易障壁だと槍玉に挙げて批判している*1。
一方、熱めのことを言えば、そうした貿易政策を差し置いても、日本のポテチ用ジャガイモは品質的に優れている。制限されているとはいえ生鮮ジャガイモは輸入されていて、そのほとんどはポテチ生産で使用される。じゃあ、日本のポテチメーカーはもっと輸入ジャガイモを増やして欲しいと思っているかといえば必ずしもそうではなさそうだ。日本のポテチメーカーが使うジャガイモであるトヨシロやスノーデンなどは国内調達が可能で、他方輸入ジャガイモは不良率が高く、輸送費を考慮するとコスト的にも割高という声もあるのである*2。
余談が長くなったが、国産米油100パーセントポテチに話を戻すと、国産とアピールしてわれわれの愛国心を頼みに買わせようとしているわけではなくて、ちゃんとポテチとして美味しい。米油100パーセントだから軽いかと思いきや、意外に油で揚げたしっかりとした重厚感がある。かねてより私はポテチには油で揚げたことによる中毒性が必要だと思っていたが、このポテチにはそれがある。
以前食べた米油で揚げたポテチはもっと軽くあっさりしていた。それはそれで美味しくはあるが、物足りなさを感じたのも事実。だが、国産米油100パーセントポテチはパーム油で揚げた一般的なポテチにとても近い。これなら今までのポテチに慣れ親しんだ伝統的なポテチストも満足するだろうし、私も大満足であった。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
スポンサーリンク
*1:USTR, 2018 National Trade Estimate Report on Foreign Trade Barriers, p.265, https://ustr.gov/about-us/policy-offices/press-office/fact-sheets/2018/march/ustr-releases-2018-national-trade.
新潟自慢味わいポテト塩味を食べる
夏休みを取って、秘湯を守る会会員で新潟県にある貝掛温泉に宿泊。目に良いとされる37度のぬるま湯で有名な温泉で、文字通りの山間の一軒宿。料理も美味しく、夜は露天風呂に浸かって、満天の星空と天の川を堪能できた。
JRの最寄は越後湯沢駅。そのお土産コーナーで購入したのが、今回の新潟自慢味わいポテト塩味である。佐渡風塩釜で作られたおけさ花塩が使われている。特段アピールはされていないが、米油を使っているのも新潟らしさへのこだわりかもしれない。
販売者は越後湯沢のお土産コーナー「ぽんしゅ館」だが、製造元はどこだろうか。ぽんしゅ館が作っているはずはないから、どこかにOEMで委託しているはず。賞味期限欄の書き方やパッケージで判別できることがあるが、湖池屋や山芳、松浦食品、菊水堂のそれとは違う。深川油脂工業か?それとも、例外的な賞味期限欄記載方法もあるのかもしれないが。
おけさ花塩による味の違いがわかるかと言えば、答えは「ノー」だ。このポテチに限らず、日本のポテチメーカー各社は塩の出自にもこだわる。カルビーは「石垣の塩」、湖池屋は「赤穂の天塩」を使っている。各社いろいろなこだわり塩を使っているが、多くの塩味ポテチには鰹節やアミノ酸系調味料も入っているから、味の違いがわかっても、それが塩による違いかどうか判別は不可能である。件の新潟自慢味わいポテチも鰹節やアミノ酸系調味料が入っているから、舌でおけさ花塩の存在を探し当てるのは至難の技であろう。
めしばな刑事タチバナ曰く「国内ブランドの"塩"への求道がすでにここまで繊細かつ抽象的な領域にまで到達してるって事実」*1こそが大事なのであって、われわれは、各社の常人にはわかりえない超次元的なレベルの闘いをただただ傍観するより他ない。誰にも伝わらないんじゃ意味ないじゃん!と呆れてためいきをつく人もいるかもしれない。そもそも完成品を食べ比べたとき、各社の開発者は塩の違いを識別できるのだろうか?日本らしいこだわりと言えばそのとおりだし、過剰品質だと言われたら、それもまた誤りとはいえないだろう。
塩を含めた全体的な味の印象は、典型的な塩味ポテチ。カットは厚切りギザギザ。鰹節やアミノ酸系等の調味料が入っているが、それらの存在感はあまりなく、米油をブレンドした植物油で揚げられてきることもあいまって、軽い出来に仕上がっている。際立った特徴はないが、その分誰もが受け入れられる味で、もちろん私も美味しく受け入れた。
量は70グラムで、こうしたご当地ポテチとしては良心的な量だ。ご当地ものは100グラムを超えるビッグサイズは珍しくない。ポテチ好きやグループ旅行ならいいが、興味があっても量が多くて購入を躊躇する人もいることだろう。70グラムはコンビニポテチよりもやや少なめの量だから、余ったらどうしよう、という心配と無縁だ。越後湯沢の土産コーナー「ぽんしゅ館」では新潟の地ソーダが買えるから、宿で新潟スナックを楽しむもよし、帰りの新幹線のお供とするもよし。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
スポンサーリンク
*1:坂戸佐兵衛(原作)・旅井とり(作画)「ポテトチップス紛争(その1~4)」『めしばな刑事 タチバナ』第6巻(Kindle版)No.175。
終戦記念日に戦争とポテチとの関係に想いを馳せながら、カルビーの「絶品チーズバーガー味」と湖池屋プライドポテトの「海老のかき揚げ」を食べる
戦争とポテチ
今日は8月15日の73回目の終戦記念日。この日とその前後ばかりはテレビや新聞紙面は戦争を取り上げる。NHKも戦争に絡めたドキュメンタリーを放送する。とはいえ、戦争の記憶を風化させるべきではない、という主張に共感はしつつも、私を含めてリアルに戦争をイメージできる人はほとんどいない。右も左も平和ボケから逃れられる人はいるまいが、ボケられるほど平和が長続きしたことは明らかにいいことだと思う。暢気にポテチを食べられるのは平和だからに他ならない。
だが、今日のポテチの隆盛と戦争は少し関係している。
日本にポテチが持ち込まれたのは戦後のことだが、アメリカではすでに定番のスナック菓子であった。定番とはいえ、生きる上でポテチは必需品ではない。ということで、第2次世界大戦がはじめるとアメリカでポテチは不要食品に認定されてしまう。だが、アメリカのポテチ製造業社たちの熱心な陳情の成果により、不要食品指定は取り下げられた。他方、戦争によって砂糖やチョコレートは配給制になって入手困難になった。結果、ポテチは原材料のジャガイモが配給制にはならなかったため、戦争中にポテチの売り上げはむしろ拡大する結果となったのである(アンドルー・F・スミス(竹田円訳)『ジャガイモの歴史』原書房、2014年、116頁)。その意味で、ポテチは戦争の恩恵を受けたお菓子であった。
日本にポテチをはじめて持ち込んだのは濱田音四郎氏。現在でも一部コンビニやスーパーで売られていてポテチストの間で人気の「フラ印」は、彼が創業したアメリカン・ポテトチップス社の手によるものである(今ではカルビー傘下のソシオ工房が作っている)。彼は太平洋戦争が勃発した当時、ハワイに住んでおり日本人としてアメリカの強制収容所に入れられた経験を持つ。
戦争終結後、濱田氏は日本に帰国する。米国進駐軍が日本に到着すると通訳としてハワイ在住の日系二世が来日、その中には濱田氏の友人もいた。その友人に誘われ東京に行き、進駐軍の米兵と交流を持つようになる。彼らから勧められたのがポテチの販売だったのである。当初は、進駐軍相手にポテチを販売し、彼らが撤退した後は、ホテルのビアガーデンなどに営業して徐々に販路を拡大していったのであった(「フロンティアスピリット~異文化体験とビジネス成功法~」『海外移住』第605号、2002年、3頁)。
ポテチも戦争とは無縁ではなかったのである。
スポンサーリンク
カルビーのロッテリアとのコラボ「絶品チーズバーガー味」を食べる
それはそうと、ロッテリアとコラボした「絶品チーズバーガー味」を食べた。
カルビーとロッテリアはいろいろコラボしていて、件の絶品チーズバーガー味ポテチも2015年にすでに発売されている。私は食べそびれたのか、わずか3年前にもかかわらず記憶がおぼろげだが、当時も人気だったとのこと(湖池屋や山芳はともかく、自ら不人気とは言うまいが、実際不人気だったらもう一回出そうとはいないだろうから、やはり人気だったのだろう)。
ニュースリリース 『ポテトチップス ロッテリア絶品チーズバーガー味』 | カルビー株式会社
絶品チーズバーガーとドリンクSセットが割引されるクーポン付き、というお得なコラボ商品。
味はピザポテトに肉感をプラスした感じ。しかし、全体の印象としてはあっさり系ピザポテト。ただし、ピザポテトのようにメルト・フレーク製法によってチーズがポテチの表面に融かしつけられてはいない。あっさり系ピザポテトと感じる理由はそこにあるのだろう。メルト・フレーク製法のほうがチーズ感は増すだろうが、ピザポテトと区別できなくなるのは間違いない。カルビーもそれを恐れてメルト・フレーク製法の秘技を使わなかったのやもしれぬ。ピザポテトを食べたいけど、ピザポテトはちと重い、というときにぴったりのフレーバー。期間限定だが、定番商品であれば定期的に購入するだろう。「家族が友人と集まる機会が多いお盆の需要に合わせて内容量を増量」して一袋100グラムだが、私は一人でぺろりと平らげた。
湖池屋プライドポテト「海老のかき揚げ」味を食べる
パッケージの裏に「創業当時、湖池屋が追い求めていた職人がつくる天ぷらのような食感」とあるように、日本ではじめてポテチを量産化した湖池屋は、天ぷらをカラッと揚げるように、ジャガイモの素材を引き出すことをイメージしてポテチを作っていた(佐藤章「これからは『第3の創業期』鍵は日本的な世界観の再提案」『Monthly BOSS』2017年12月号、11頁)。
その意味で、海老のかき揚げ味は湖池屋のメンタリティど直球のフレーバーと言ってもよい。
開封した瞬間に海老の香りがあたりに立ち込める。これ以上ないほどの幸先よい滑り出し。これは期待が持てそうだ。
食べるとまさに海老のかき揚げ。通常のポテチよりもふわっ、さくっ、という食感。かき揚げ感が出ている。どうやって揚げ加減を調整しているのだろうか。海老は甘えびエキスパウダーとオキアミエキスパウダーで出し、海老の甘みは砂糖やぶどう糖で再現しているのだろう。絶妙な調合。脳裏に浮かぶのは桜エビのかき揚げを食べたときの海老の香ばしさと甘さ。ポテチでここまで再現できるとは。湖池屋のプライドポテトはさすがであった。脱帽。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
スポンサーリンク
コメ油で作られたノースカラーズの純国産ポテチを食べる
ノースカラーズの純国産ポテチを食べる
めしばな刑事タチバナ曰く、ポテチとは「イモと油と粉がおりなす食欲喚起の総合芸術」である*1。私も激しく同意である。
で、今回はポテチの三位一体の構成要素の一つである油にコメ油を使用したノースカラーズの純国産ポテトチップスうすしお味。油は国産のコメ油を使用という徹底ぶり。コメ油のポテチと言えば深川油脂工業だし、ノースカラーズという会社名は不勉強ながら聞いたことがなかった。販売者だから、OEMで別の会社が作っているのかな、と思いつつもこのノースカラーズ社は菓子の製造販売を生業にしているようだから、この会社が製造までやっている可能性がある。
会社概要 | 株式会社ノースカラーズ | ノースカラーズは、安全な北海道の美味しさをお届けするお菓子会社です。
ポテチはジャガイモをスライスして揚げるだけ、という単純極まりないお菓子ながら、原材料であるジャガイモの貯蔵管理が必要だったり商品として安定的に生産するのは存外大変であり、それゆえ日本にはポテチメーカーは10社もいない状況にある。ノースカラーズ社は2011年に第一弾商品として純国産ポテチを発売したそうだから、とすれば久々の新興勢力ということになる。OEMの可能性もあるが、ウェブ検索で見る限り現時点では確認できなかった。
コメ油で揚げると軽い仕上がりになると言う。実際食べてみると確かに軽い。
コメ油ポテチに思う
とはいえ、守旧派と呼ばれたとしても、まだ従来のポテチのほうがいいなぁ、と思ってしまう。
ノースカラーズは、安心安全な国産原料の普及と、食料自給率の向上を目指しています。
ノースカラーズの純国産シリーズは、化学調味料・人工甘味料・合成保存料・着色料・香料を一切使いません。原料の全てが国産の贅沢なシリーズです。
アブラヤシから採れるパーム油は、日本でも大量に使用されています。その結果、原産国ではプランテーションが拡大し、深刻な熱帯雨林の破壊に繋がっています。急激な環境の変化は、先住民族を苦しめ、ゾウやトラなどの野生生物の生息地を奪っています。
これらは、純国産ポテチのパッケージの裏側に記されているノースカラーズがコメ油でポテチを作る理念だ。この理念は素晴らしい。ただ、ポテチ愛好家とすれば、コメ油のポテチはやや物足りない。私とて健康や環境の大事さは理解するが、食べ物を評価するときの基準は、兎にも角にも「味」であり「美味しさ」であるべきだと思っている。理念で美味しさは補えない。
一部の意識高い人々を除けば、多くの人はいかに環境が大事でも美味しさに劣るポテチを食べたいとは思わない。ポテチストとて同様。
とすれば、理念で訴えるのもいいけれど、コメ油で重めの中毒性のあるポテチを作ってみるのもありではないだろうか。コメ油の軽さをアピールするよりも、コメ油でもこんなに中毒性のあるポテチを作れるんです、という方向性のほうがポテチストには受けると思うのだ。
実のところ私は別にコメ油ポテチを否定しているわけではない。私もそうだがポテチを食べる人の多くは、パーム油で揚げられているかどうかはさして気にしないだろう。パーム油に優位性があるとすれば、それはコメ油やアボカドオイルで揚げられているポテチよりも美味しいと感じているからだ。そして、その美味しさは油の重さと中毒性にあると思う。
なので、もしパーム油の使用を問題視しているのであれば、コメ油で軽さや健康、自然保護を訴えるよりも、パーム油で揚げたのと同レベルの再現性があったほうがいいのではないか。そのほうがパーム油のポテチからコメ油のポテチに乗り換えるポテチストが増えるように私は思うのである。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
スポンサーリンク
*1:坂戸佐兵衛(原作)・旅井とり(作画)「ポテトチップス紛争(その1〜4)」『めしばな刑事 タチバナ』第6巻(Kindle版)、174頁。
群馬県ご当地ポテチ正田醤油使用ポテトチップスを食べる
さて、今回は群馬県ご当地ポテチ。県所在の正田醤油を使ったしょうゆ味。製造メーカーはパッケージに表示されていないが、とあるウェブサイトを見ると、お取り寄せポテチで有名な菊水堂製造とのこと。OEMで製造しているポテチということか。菊水堂のポテチは「ポテトチップ」で「ス」が入らないのだが、この商品は「ポテトチップス」になっている。自社製品とOEMでそこらへんは使い分けているようだ。自社製品を差別化させるためなのか、OEMの発注者からの要望なのかはわからないが。
菊水堂は、「マツコの知らない世界」で紹介されて注目度が急上昇、2015年の「Yahoo!検索大賞 2015【お取り寄せ部門賞】」を受賞するまでに至ったから、知っている人も多いだろう。番組が放送された当日は、21時30分ごろから注文が殺到し、1セット1,800円の商品が23時間で2万セット売れたそうだから、テレビの影響力は本当にすごい(岩井菊之「ポテトチップのネット販売状況とニューヨーク事情」『いも類振興情報』132号、2017年、22頁)。
145グラムとビッグサイズながら、値段は約400円というリッチポテチである。もっともご当地ポテチとしては標準的な量と価格なのだが。ロットが小さいため、一袋あたりの値段が上がってしまうのだろう。
ご当地ポテチたる所以は、群馬県館林市にある創業1873年の老舗醤油メーカーの「正田醤油」の醤油が使用されているからである。パッケージには、「まろやかで味わい深い醤油」とある。小さいながらも地域に根ざした会社なのかと思いきや、ザスパクサツ群馬のホームグラウンドである群馬県立敷島公園のネーミングライツを取得するほどの大きな会社なのであった。ネーミングライツを取得して地域のスポーツ文化を後援していこうというくらいだから、正田醤油は群馬愛が非常に強い会社であるとお見受けする。
正田醤油使用ご当地ポテチの厚みは薄い。カルビーと湖池屋ならカルビーと同じくらいか。しかし、カルビーほど硬度はない。パリッではなくサクッという噛み砕き感。
菊水堂のポテチを最近食べてないが、そう言われてみれば菊水堂のポテチのような食感のような気がする。菊水堂という先入観があるからでしょ、と言われればまさしくその通りなのだが、記憶の奥底から菊水堂のポテチの食感の記憶を掘り返せば、やっぱりこんな感じの食感だったような気がするのである。
それはさておき、肝心な味はと言えば、味は濃くなく、醤油の味も強くない。菊水堂は味付けあんまり強くしないからなー、と妙な納得感はある。ほんのりと醤油味がまとわれていることで、塩味とは違うちょっとコクのあるポテチに仕上がっている。ただ、味付けが濃くないから、そのぶん量が多くても食べられる、というメリットもあるが、個人的には醤油味がもう少し効いているほうがいいと思ったのであった。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
スポンサーリンク
湖池屋のムー超系ポテチとジャパンプライドポテトの九州焼きのり醬油味を食べる
カラムー超「濃厚ビーフ煮込みXO醬仕立て」とすっぱムー超「トリュフ香るホタテのカルパッチョ」を食べる
今更ながらの感もあるが、湖池屋のカラムー超「濃厚ビーフ煮込みXO醬仕立て」とすっぱムー超「トリュフ香るホタテのカルパッチョ」。なぜにこのタイミングでカラムー超とすっぱムー超なのかといえば、私は湖池屋オンラインショップの登録をしており、5月下旬にお得価格で2つのポテチを箱買いできるというメールを受け取ったからである。50%オフなので、一箱959円という激安プライス。一袋58グラムと小ぶりながら、それぞれ12袋ずつの計24袋も入っている。これを買わずにいられるか。
合計24袋もあるとさすがに長持ちする。もちろん、その間に他のポテチを食べているので、毎日この二つを食べているわけではなかったが。
二つとも美味しくて私は両方とも好き。だからそれぞれ12袋ずつあって、まだあるぞーっていうのはけっこうな幸福感なのだ。安く買えた上に長く続く幸せ。湖池屋に感謝。
どちらも秀逸な出来栄えだが、どちらがより好きか、と言えばすっぱムー超。すっぱムー超のほうがよりすっぱムーチョからの変貌ぶりに驚いたからだ。おっ、こうきたかー、という驚きと感心。まず何より、しっかりトリュフの味がする。開封した瞬間からトリュフの香りがする。トリュフポテチと言えばスペインのトーレス社の黒トリュフポテチがあるが、トリュフ感はすっぱムー超のほうが上のように感じた。
そして後から追いかけてくる酸味。本家のすっぱムーチョよりも酸味は抑えめか。得てして男性のほうが酸味を苦手にしているものだが、私もビネガー系フレーバーにときどき参ってしまうことがある。とはいえ、別に酸味がキライなわけではない。酸辣湯も好きだし。その点、すっぱムー超はすっぱすぎないから安心であった。このくらいの酸味が好きだ。
カラムー超は濃い味。もともとカラムーチョは濃い味なわけだが、そこにビーフ系フレーバーが追加されたことで、より濃厚さが増しているのは道理。粉の粒子がしっかり感じられる。出し惜しみしない感じ、「超」というだけあって豪華である。XO醬のXOは最高等級を意味する。XO醬を謳いながら、粉をケチってパンチ不足では羊頭狗肉もいいところ。その点、粉を惜しまない湖池屋はさすがに抜かりない。カラムーチョはカラムーチョ自体の完成度が高すぎるがゆえに派生品はどうしても本家を超えられない宿命を持つ。濃厚ビーフ煮込みXO醬仕立てをもってしても、やはり本家のカラムーチョに軍配が上がるのだが、カラムー超はなかなかの好敵手のように思う。粉がふんだんに使われているのが満足度をさらに高めてくれる。
すっぱムー超とカラムー超に次作があるのか。次作あってほしい。
ジャパンプライドポテト九州焼きのり醬油味を食べる
近所のスーパーに売っていたのが、プライドポテト九州焼きのり醬油味。こちら、コイケヤプライドポテトと思いきや、ジャパンプライドポテト。
「湖池屋 JAPAN PRIDEプロジェクト」第2弾商品として、2017年に世界遺産登録された「神宿る島」 宗像・沖ノ島と関連遺産群を祝福・応援する意味を込め誕生した商品とのこと。
九州の醬油は甘みが強い。その意味でクセがあるから好き嫌いが分かれるかもしれないが、私はとても好き。あの甘い醬油で刺身や馬刺しを食べると、なんとも言えない幸福感に満たされるのである。旅行であれば、九州に来たぜーって実感できるし。
で、この九州醬油がポテチと融合すると、すなわちそれは最強となる。カルビーも九州しょうゆ味を出しているが、あれもとても美味い。ネットで検索すると、九州しょうゆ味をカルビーで最も美味いポテチに挙げる人もいる。その気持ち、よくわかる。基本的に九州エリア中心で販売されているようだが、関東でもスーパーなどで見かけることがある。
ジャパンプライドポテト九州焼きのり醬油もカルビーの九州しょうゆも出汁系の旨味調味料まで付加されているから、鬼に金棒である。ジャパンプライドポテトは九州醬油と焼きのりの合わせ技だが、味への貢献という意味では九州醬油のほうが存在感は大きいか。湖池屋のプライドポテトシリーズは全体的には素材のよさを引き出す薄味上品系が多いように思うが、この九州焼き海苔のり味はけっこう濃いめの味付けで美味しかった。
ごちそうさま。さて、次は何味を食べようか。
スポンサーリンク