プリングルズのマレーシア産サワークリームオニオン味とアメリカ産サワークリームオニオン味を食べる
デパートにてマレーシア産とアメリカ産の両方を発見
3、4年前からプリングルズの質が落ちた、すなわち不味くなったんじゃないか、という噂が界隈の一部を賑わしている。私も味が落ちたような、落ちたとまでは言わずとも、なんか変わったなーとは思っていた。
で、その理由は、プリングルズを開発したP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)が食品事業から撤退し、ケロッグが商標権を取得したこと(2012年)、およびケロッグが2015年にマレーシアに新工場を設立し、アジア向けの大きさとフレーバーで生産を開始したことにあるのはほぼ間違いない。
ただ、こういうのって想い出補正があるから、食べ比べたら実はそんなに変わらないんじゃないか、という思いも心のどこかにあった。結局のところ噂の真偽は食べ比べてみなければわからないのである。
その食べ比べが今日(1月20日)実現した。外出先のデパートのお菓子売り場を覗いたら、なんとマレーシア産とアメリカ産の両方が置いてあったのである。しかも同じ棚に。成城石井とかに行けばアメリカ産サワークリーム味を労せず見つけることはできただろうが、そこは生来のなまけものゆえ、なんか一遍に買えないとイヤっていうか、要するにめんどくさくてそこまでしていなかった。なまけものであっても同じコーナーで数センチ移動するだけで済むならさすがに手を伸ばす。デパートのファインプレーによりサワークリームオニオン味の東西対決がついに実現したのである。
プリングルズ東西比較
↑内容量はマレーシア産が110グラム、アメリカ産が158グラム。だからアメリカ産のほうがだいぶでかい。
↑面積はアメリカ産のほうが大きい。
↑厚みはマレーシア産のほうが厚い。この厚みが実は問題だと思う。
↓成分・原材料比較(いずれもパッケージに基づく。アメリカ産はジャガイモってなっているけど、ポテトフレークとするほうが正しいだろう)
項目 | アメリカ | マレーシア |
---|---|---|
単位(グラム) | 100 | 100 |
タンパク質(グラム) | 3.6 | 5.8 |
脂質(グラム) | 32.1 | 27.3 |
炭水化物(グラム) | 53.6 | 62.4 |
食塩相当量(グラム) | 1.6 | 0.7〜2.8 |
原材料名 | ジャガイモ | ポテトフレーク |
植物油脂 | 植物油 | |
とうもろこし粉 | ||
小麦でん粉 | 小麦でん粉 | |
マルトデキストリン | マルトデキストリン | |
米粉 | ||
食塩 | 食塩 | |
ホエイ | ホエイパウダー | |
ぶどう糖 | ぶどう糖 | |
オニオンパウダー | オニオンパウダー | |
脱脂乳 | 脱脂粉乳 | |
サワークリーム | サワークリームパウダー | |
発酵脱脂乳 | 発酵脱脂乳 | |
バターミルク | ||
乳等を主要原料とする食品 | ||
転化糖 | ||
酵母エキス/調味料(アミノ酸等) | 酵母エキス | |
香料 | ||
クエン酸 | ||
乳酸 | ||
カゼインNa | ||
リンゴ酸 |
やはりアメリカ産のほうが美味かった
結論から言おう。アメリカ産のほうが美味い。
そして当然と言うべきか、アメリカ産のほうが「そうそう、これこれ、プリングルズってこういう感じだった」というプリングルズ感がある。
同じプリングルズにもかかわらず、想像以上にけっこう違う出来上がりである。
まずもってポテチの面積と厚みが違う。
マレーシア産のほうが面積が小さいことは比較するまでもなくわかっていたが、厚さも違う。マレーシア産のほうが厚い。厚みの違いが食感の違いを生んでいて、それもけっこうな違いなのである。アメリカ産のほうが薄くてパリッとくだける感じ。この歯ごたえない感じがプリングルズらしさ。厚いとチップスターっぽくなってしまって、それはそれでいいんだけど、プリングルズではない!となってしまうのだ。だったらチップスターにするよってなっちゃう。
そういえば、マレーシアの代表的ポテチであるMAMEE社のMister Potatoも少し厚めだったような。マレーシア人は少し厚めのポテチが好きなのかしらん。それかOEMで同じ会社が作っていたりして。
そんでもって味もアメリカ産のほうがいい。
フレーバーの粉感は、想い出通りアメリカ産のほうが強い。この粉感がわれわれがプリングルズ、特にサワークリームオニオン味に求めていたことだ。
これこそ正しいプリングルズの姿なり。
ただ意外だったのは、じゃあ、アメリカ産のほうが味が濃いのかって言われると、そうでもないのだ。むしろマレーシア産のほうが濃く感じる(もちろん粉の付き方が違うから単純な比較は難しいのだが)。
噛みしめてみても、マレーシア産のほうがいつまでもフレーバーが残る気がする。アメリカ産のほうがすうっとフレーバーが消えていく。味はマレーシア産のほうが長持ち。粉のつき方にもよるが、マレーシア産のあとにアメリカ産を食べると、アメリカ産のほうがだいぶあっさりとしている。粉の付き感もマレーシア産のほうがムラがないように思えた。
ポテチ一枚一枚の質の安定度はマレーシア産のほうがいいくらいかも。
だけど、それが美味しさに昇華できていない。個人的にはマレーシア産のほうが動物くさいというか、ちょっとした後味の悪さを感じる。単独で食べたときは気づかなかったんだけど、食べ比べると気になった。
アメリカ産のほうが粉感があって美味しいっていうのは想い出通り。でも、アメリカ産のほうがあっさりしてたのは意外だったな。そこは想い出補正だった。それに厚さがけっこう大事。厚いとわれわれが求めているプリングルズ感が失われてしまうのだ。
サワークリームオニオン味って粉が付いていれば付いているほど、そしてフレーバーが濃ければ濃いほど美味しく感じるのかと思っていたけど、アメリカ産プリングルズは想い出よりはあっさりしていた。ただ濃いだけではなかった。もちろんアメリカ産だってフレーバーは変化するだろうから、数年前とは違っている可能性はあるのだけれど。
まあ、そんなあれこれ考えなくてもいいか。自分の中ではアメリカ産のほうが美味しいっていう結論がはっきり出たのだから。我アメリカ産プリングルズサワークリームオニオン味が美味いと思う、故にアメリカ産プリングルズサワークリームオニオン味を選ぶ我在り。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。
表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。
↑ネコもアメリカ産へ向かう(塩分あるから食べさせないけど)
スポンサーリンク