ポテチ猫

ポテチのネタを中心としたブログです。

ハンターズ 黒トリュフフレーバーポテトチップスを食べる

 

ハンターズの黒トリュフフレーバーポテトチップスを購入してグリーン車に乗る

用事があって川崎駅から東海道線に。年末ということでちょっとリッチにグリーン車。旅のお供にJR川崎駅構内にある成城石井でハンターズの黒トリュフ味ポテチを購入。年末で気持ちが大きくなっているからこそできるリッチ&リッチな組み合わせだ。

 

www.seijoishii.com

 

成城石井直輸入。人気らしく一人一点しか購入できない。なぜそれほど人気なのかネットで検索してみると、日本テレビの『今夜くらべてみました』で元AKBの指原莉乃さんが絶賛したらしい。なんだかんだテレビの影響力は甚大なんだなぁ、と実感。

 

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シックな黒のパッケージ

 

誰がこんなリッチなポテチを作ったのかと思ってパッケージの裏面を見ると、なんと原産国名はアラブ首長国連邦UAE)である。UAEにポテチメーカーがあるとは思わなかった。ジャガイモどころかUAEに農業のイメージはまったくない。

国連食糧農業機関(FAO)の統計でジャガイモ生産状況を調べてみたら、2019年のUAEのジャガイモ生産量は1,183トン。同年の日本のジャガイモ生産量が2,173,246トンだから、日本のわずか0.05%程度に過ぎない。むしろ多少なりとも生産していることに驚きである。このわずかなジャガイモをポテチ製造に使っているのか、輸入ジャガイモを使用しているのかはわからない。ちなみに日本のポテチの成分表でおなじみの「遺伝子組換えでない」の表記は見当たらない。遺伝子組換え表示制度的には日本国内で流通する場合は、遺伝子組換え原料を含んでいるか否かを表示しないといけない気もするけど、表示なしで大丈夫なのだろうか。個人的には遺伝子組換え原料が使用されているかはあまり気にしないので、使用されていたとしてもそれはそれでOKだが、ハンター社のウェブサイトを見るとNon-GMOでMSG(グルタミン酸ナトリウム)や食品添加物なども使用していないと書いてあるから、どうやら遺伝子組換え原料は使っていないようだ*1。これなら遺伝子組換え原料を気にする人も安心して食べられる。

 

ハンター社とは?

ハンター社はUAEのドバイにある会社。設立は1985年。思った以上に歴史のある会社だ。設立当初からポテチを製造していたかわからないが、カルビーがポテチ市場に参入したのが1975年だから、設立当初からポテチづくりをしていたならなかなかの老舗ポテチメーカーといえる。

それにしてもドバイのポテチメーカーとはなぁ。やっぱりポテチは世界中で愛されているお菓子だな。日本は世界有数のポテチ激戦国だと思うが、中東から日本に新たなポテチの風を吹かせてほしい。

 

www.hunterfoods.com

 

フレーバーはいろいろ。成城石井ではグリーンカレー味とトマト&オリーブ味があったが、ハンター社のウェブサイトを見ると、他にもワサビ&ターメリック味、フレンチチーズ&赤オニオン片(french cheese & red onion bits、どう訳したらいいんだ?)味、ソルト&リンゴ酢味、ホットチリペッパー味など。もちろん塩味やソルト&ペッパーといった定番フレーバーもある。ワサビ&ターメリックの味がまったく想像できない。わさビーフに近いのか、はたまたまったく別物なのか。

 

いざ実食 

さて、肝心のお味である。ちょいと塩味強めでちゃんとトリュフの香りやフレーバーが感じられる。最近はミシュランに掲載された「蔦」を筆頭に何かしらトリュフを使うラーメン屋が増えてきたりと、トリュフのハードルが下がりつつあるように思うが、このポテチはトリュフとちゃんとマリアージュしてて、話題先行じゃない美味しい仕上がりになっている。僕はフレーバーがしっかりついてるポテチのほうが好きだから、ややしょっぱめなこのポテチの塩味は嗜好にぴったり(年末の仕事の多忙さで身体が疲弊してたことも塩味がハマった一因だとは思う)。

ビッグサイズ缶もあるようだが、食べ切りなら40グラムサイズはちょうどいいかも。トリュフは少しクセがあるから、たくさん食べるよりはちょっとずつ嗜むくらいのほうがいい。

 

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湖池屋のカンポート産 塩漬け生ペッパー付き 本素揚げPOTATO ~特別限定セット~を食べる

 

11月に訪れた福音

11月は仕事が忙しかった。〆切が多かったのだ。コンサルは複数のプロジェクトを同時並行で進めることが多い。うちの会社もその例に漏れず。だから〆切が重なってしまうと自ずと忙しくなってしまうのだ。売れっ子であれば多忙さは勲章だ。しかし、私の場合、貧乏暇なしと言ったほうが適切。一つ一つのプロジェクトの規模が小さいから、ノルマ達成のためにはより多くのプロジェクトをやらなくてはならない。規模が小さければ、労力も少なくて済むかといえば案外そうでもなく、小規模案件でも固定費みたいに最低限必要な仕事量というのがある。だから小規模案件をたくさん抱えると儲からないのに仕事量ばかり増えるという悪循環に陥るのだ。

 

そんなときにメーリングリスト登録をしている湖池屋からオンライン限定ポテチの連絡がきたのだ。

 

それがこれ。 

カンポート産 塩漬け生ペッパー付き 本素揚げPOTATO ~特別限定セット~

 

shop.koikeya.co.jp

 

ペッパー味はポテチの定番ながら、塩漬け生ペッパーとなると話が違う。既存のペッパーポテチとは一線を画す、何やらすごそうな雰囲気だ。さらに言えば僕は数年前にカンボジアに行ったときにカンボジアの胡椒を食べたことがあり、その美味なる味にいたく感動した記憶がある。新作ポテチはいつも気になるが、いつも以上のテンションの高さで購入したのであった。

 

脱線:カンボジアの胡椒 

話は脱線するが、カンボジアの胡椒振興には倉田さんという日本人が大きな貢献をしている。1970年から1993年という20年以上に及ぶ長期の内戦によってカンボジアの国土は破壊され、人口の三分の一が亡くなった。胡椒産業も例外ではなかった。

 

www.huffingtonpost.jp

 

消滅しかかったカンボジアの胡椒生産を復活させた立役者の一人が倉田さんで、今ではクラタペッパーはカンボジア土産の一つになっている。僕が数年前にカンボジアに出張したときクラタペッパーを薦められて購入した。買ったのは胡椒の佃煮。一口食べると止まらず、お土産として買ったのにカンボジア出国前に全部平らげてしまったのだった。

 

このポテチの胡椒がクラタペッパーかどうかはわからない。パッケージからは判断できない。でも、カンポートはカンボジアの胡椒の有名な生産地。すごいことに変わりはない。

 

そんなカンボジアの胡椒と湖池屋ポテチのコラボレーション。しかしまあ、よくカンボジアの胡椒と合わせようなんて奇策を思いついたものだ。湖池屋商品開発担当者のリサーチ能力とセンスにただただ脱帽する。

 

ポテチが届いた、そして実食

 注文してから待つこと約一週間。ついに待望のポテチが届いた。

 

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ポテチが届いた

 

一袋60グラムが6個。カンポート産胡椒の容器がかわいらしい。

 

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まず胡椒を口に含み、ポテチで追う、というのが推奨されている食べ方。

 

とはいえ、まずは懐かしのカンボジア胡椒を単体で味わってみたい。ポテチではなく先に胡椒を一粒食べてみた。

突き抜ける清涼感。胡椒の辛さはもちろんあるけど、口の中がスーっとする清々しさのインパクトが強い。胡椒だけで十分うまい。

 

ポテチも一枚何もつけずに食べる。ポテチだ。味付けされてなくてもうまい。ただ、最近は芋本来の味を感じさせたりヘルシー感を出そうとしたりする風潮があるように感じるが、僕はポテチは味付けされてナンボと思う伝統主義者なので、味付けされてないポテチにはやや否定的だ。

 

それぞれ味わったところで、いよいよポテチとカンポート産胡椒のマリアージュを楽しむべく、胡椒を口に含み、ポテチで追いかける(写真はちょっと胡椒を置きすぎw)。

 

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 これがうまいのね。

 

カンボジア胡椒のピリッとした清涼感と軽やかに揚げられたポテチの油分が絡み合う。油分感が緩和されながらも清涼感にコクをプラスする。塩漬けだから塩味が加わる。でもポテチと胡椒と塩味を足した、という単純な味ではない。フレッシュにはじける胡椒がポテチをみずみずしくしている。ポテチにみずみずしさは相容れないもののような気がするが、天ぷらにつゆをかける天丼とは違い、ポテチのカリッと感は維持されつつみずみずしさが加味されるのだ。思い出しただけで口中に唾液があふれる。

 

これは傑作だ。ポテチにそこまで興味のない妻もこれならいくらでも食べられると言う。

 

僕は下戸だから酒はあまり嗜まないが、これは十分にバーのつまみになる。オーソンティックなバーでも引けを取らない。カンボジア胡椒とポテトチップス。会話のネタにもなるだろう。

 

分類するならペッパー味なのだろう。しかし、これはペッパー味の、というかポテチの既成概念を超越した新次元のポテチである。

カルビーのシーチキンマヨ味と桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油味を食べる

  

カルビーのシーチキンマヨ味を食べる

今回はカルビーの「シーチキンマヨ味」と「桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油味」である。それぞれはごろもフーズ桃屋とのコラボ商品だ。

 

www.calbee.co.jp

 

www.calbee.co.jp

 

まずは、シーチキンマヨ味(以下ツナマヨ)である。

 

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このツナマヨの再現度がとんでもなくすごい。完全なる再現度。

まず開封した時点でコンビニおにぎりのツナマヨを開けたときとまったく同じ香りがする。食べても完全にツナマヨカルビーは数多くの力作を世に送り出してきたが、これほどまで完璧に再現されたものを私は知らない。ツナマヨは再現しやすいフレーバーなのかもしれないが、よくぞここまで完璧に再現したものである。完璧すぎてポテチを食べているという感覚さえ失ってしまう。

 

ツナマヨ再現においてマヨネーズは欠かせないわけだが、原材料はマヨネーズ風味パウダーとある。マヨネーズ「風味」パウダーとはこれはなんぞ?マヨネーズパウダーではないのだ。なんか面白い。だってマヨネーズは高価なものではないし、これまで数多くのパウダーやエキスパウダーを使ってきたカルビーからすればマヨネーズパウダーくらい簡単に見つけるか、なければ作れそうな気がするのだから。風味ではなくマヨネーズをパウダーにしなかった、もしくはできなかった理由はあるのだろうか。ポテトチップスのフレーバーの錬金術の世界は奥が深い。

 

カルビー桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油味を食べる

さて、次は桃屋の辛そうで辛くない少し辛いラー油味(以下、ラー油味)である。 

 ラー油のほうも美味しい。けっこう美味しい。

 

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が、ほぼほぼカラムーチョなのである。

 

ちょっと薄味のカラムーチョ。

 

目を閉じて食べたら確実に間違える。芸能人格付けチェックで是非ともGACKTに試してほしい。ああ、でも比べたらわかるかも。要するに味が濃いほうを選ぶか薄いほうを選ぶか。味の濃さは違うから、食べ比べれば別物だとはわかるだろう。単体で、カラムーチョだよって言われたら、少し味が薄い気もするけど、まあこんな感じと言われればこんな感じだったよな、と信じてしまうはずだ。それほどまでに似ている。だから美味しいと言えば美味しい。カラムーチョが美味しいのだからそれに似た商品も美味いには違いないのだ。

 

これほど味が似通ってしまったのは、やはり原材料の共通性だろう。桃屋のオフィシャルウェブサイトには、「香ばしいフライドガーリックとフライドオニオンの食感と旨みが活きています。機械任せにせず、毎回人の手で丁寧に揚げたフライドガーリックとフライドオニオンをたっぷりと使用しています」とある*1。すなわち、桃屋のラー油の美味しさの決め手は、フライドガーリックとフライドオニオンである。

 

他方、カラムーチョの原材料には、オニオンとガーリックパウダーが入っている。唐辛子を除けば、そのほかの原材料は食塩とか粉糖などだから、カラムーチョの美味しさにもオニオンとガーリックパウダーが大きな役割を果たしているのだ*2

 

辛味+オニオン+ガーリック。これは似てしまいますわな。

 

 

ラー油味を食べて、エイプリルフール的なシャレでポテチメーカー各社が他社のフレーバーを出してみたら面白いかもって思った。カルビー湖池屋の、湖池屋は山芳の、山芳はカルビーの、のように。カルビーがカラムーチョ味、湖池屋わさビーフ味、山芳がコンソメパンチ味。

それぞれの代表的なフレーバーはなんだろうって考えると、湖池屋のり塩かカラムーチョ、山芳はわさビーフで決まり。意外に難しいのはカルビーか。カルビーといえばうすしお味だと思っているし、私が自分の人生において最も食べたポテチは間違いなくカルビーうすしお。今でもカルビーうすしおは私が最も大好きなポテチの一つだ。美味しいポテチは数あれど、結局戻ってくるのは王道の味。

でも、代表的なフレーバーとすれば、カルビーのポテチ初のヒット作であるコンソメパンチか。まったく作っていないわけでもないけれど、山芳は塩味やのり塩味、コンソメ味といったどこのメーカーも出している定番フレーバーをつくっていないエッジが効いた会社だ。その会社に三大定番フレーバーの一つであるコンソメを作らせるのはそれはそれでセンセーショナルなことだろう。

 

三大ポテチメーカーのシャッフル企画いいんじゃない??

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。 

 

 

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ヤマザキビスケットのアツギリ贅沢ポテトしお味を食べる

 

今回はヤマザキビスケットの「アツギリ贅沢ポテトしお味」を食べた。

 

www.yamazaki-biscuits.co.jp

 

ヤマザキビスケットといえば「チップスター」。一般的な感覚からすればチップスターはポテチなんだが、チップスターのようなポテチは統計上は成型ポテト(ファブリケートポテト)という違うジャンルに分類されることもある。成型ポテトとはジャガイモを粉末にして味付けし、それを型に入れて揚げて造られるポテチを指す。ジャガイモをスライスして揚げる通常のポテチとは作り方が違うのである。成型だから同じ形にできるというメリットがある。

 

我が国を代表する成型ポテトといえば「チップスター」。舶来勢なら「プリングルズ」。そして、実は「じゃがりこ」や「サッポロポテト」、「おっとっと」もジャンル的には成型ポテトなのだ。分類は統計によって変わりうるが、見た目はチップスタープリングルズもポテチっぽいのに分類的には別。見た目も名前もカニなのに、生物学的な分類上はヤドカリの仲間、というタラバガニみたいなものか。タラバガニがカニだろうがヤドカリだろうがわれわれ一般人にとって美味しければどちらでもいいのと同様に、統計的な分類がなんであれ美味しければチップスターがポテチだろうが成型ポテトだろうがどっちでもいい話ではある。

 

とはいえ、ヤマザキビスケットといえばチップスターである。それゆえ、ヤマザキビスケットのポテチ(実際はポテチではなく成型ポテトだが)を食べる、といえばそれはイコール、チップスターを食べるということであり、ピロータイプの袋を開封してヤマザキビスケットのポテチを食べることはまずない。

そんなヤマザキビスケットのポテチの中でも比較的コンビニやスーパーで目にするのが、このアツギリ贅沢ポテトだろう。デザインもシックでおしゃれ。ブルーのプレートにポテチが映える。このデザインは美しいなぁ。ブルーが差し色として効いている。

 

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パッケージの裏面には、

フランス産岩塩を使用し、隠し味にマッシュルームエキスの旨みを加えました

とある。マッシュルームエキスとはまた意外な組み合わせではないか。

どんな味になるのだろうかと胸を期待で膨らませて、実食。

 

おお、塩味なんだけど、単なる塩味じゃなくて、なんというか塩味+コンソメ味というか、控えめなんだけどなかなか個性的な味ではないか。これはなかなかに美味しいぞ。

原材料名を見れば、マッシュルームエキスパウダーに加えてチキンブイヨンパウダーが入っている。おそらくこれらが私がコンソメっぽいと感じる風味を加えているのだろう。はじめは塩味だと思って食べているんだけど、マッシュルームとチキンブイヨンを意識し始めるとやがてこれがコンソメ味であるかのように錯覚してくる。ただし、本家のコンソメ味ほどその成分が強いわけではない。でも、マッシュルームとチキンブイヨンが存在することで、単なる塩味とは確実に違う仕上がりになっている。厚切りだから噛み締めていくうちにジャガイモの味が顔をのぞかせるのもいい。

 

この組み合わせ考えた人、すごいと思う。塩味にマッシュルームとチキンブイヨンもってくるかー。普通の塩味と違うとはいえ、両者が脇役的な立ち位置を守っているから、コンソメ味にはなっていない。絶妙なバランスだ。コンビニで見かけてもカルビー湖池屋や山芳を優先することが多かったけど、これは十分スタメンを張れる美味しさだ。

 

ヤマザキビスケットのポテチってあんまりないんだよね。チップスターがあるから別にそれでもいいし、チップスターもたしかに美味しいんだけど、これだけ美味しいのを作れるんだったらもっともっとポテチを出して欲しいとも思ってしまうのである。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

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湖池屋プライドポテトの芳醇重ね茶塩味を食べる

湖池屋プライドポテトの芳醇重ね茶塩味を食べた。

袋を開けた時点でほのかに漂うお茶の香り。天ぷらを抹茶塩で食べたようなフレーバーだ。湖池屋プライドポテトの食感の天ぷら感が最近とみに増したように思う。見た目もなんというか、気泡みたいな空気感がある。このさくっと感はどうやって出しているんだろう。原材料にある米粉か?

もともとプライドポテトは普通のポテチと一線を画したポテチを目指したものだったわけだが、特に和風のフレーバーだと天ぷらっぽいなって感じることが増えてきた。ポテチというよりもプライドポテトという独自のジャンルを構築しつつある。プライドポテトを食べているとポテチを食べてるって感じなくなってきたな、そういえば。もちろんいい意味で。

 

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天ぷらっぽいというのは、湖池屋のポテチ作りの歴史を顧みればなんら不思議なことではない。湖池屋は日本の老舗ポテチメーカーだが、ポテチ作りを始めた頃、天ぷらを参考にして美味しいポテチを作れるよう努力していたというのだ。だから、湖池屋がポテチのクオリティをさらに進化させたいと思ったとき、天ぷらを目指す、というのは同社の歴史からすれば至極当然のゴール設定だといえる。

 

それから(CIロゴ変更の際に:引用者注)意識したのは、創業者に学べ、創業の原点に学べということ、どういう気持ちで最初、ポテトチップスを作ったのかといえば、実は天ぷらだったのです。天ぷらをカラッと揚げるように、じゃがいもの素材がジューシで、かつ旨味を損なわないうちに揚げ切るんだと。そこからポテトチップスが始まったということを聞いて、その継承技術をいまの時代、あるいは未来に向けてどうやったら活かせるかなと、そんな発想をしてきました*1

 

さて、茶塩味、ほんのりとわさびのような風味も感じる。原材料名にはわさびとは明記されていないが、香辛料の中に含まれているのかもしれない。和のポテチ、ここに極まれり。

 

米国生まれのポテチは、日本でも根付いた。根付いた、というよりも本国以上に発展しているように思う。すべてのスナック菓子の販売額のうち3割以上を占めるのがポテチだ*2。さらにいえば、こんなに短期間に新しいフレーバーが開発されるのは日本くらいだ。商品企画はどう工夫しているんだろう。次から次に新しい、それでいて売れるフレーバーを考えるなんて相当の難題だ。やりがいもあろうが、苦労も多いに違いない。どんな味でもいいってわけにはいかないのだから。「鼻くそ味」なんておとぎ話の世界だからこそ許されるのであって、現実の世界でそんなものを作ったら売れないばかりか炎上必至だ(と思ったら、なんと百味ビーンズは実在するではないか!無理して食べたいとは思わないが、再現度の感想は聞きたい)。

 

 

で、最近のプライドポテトを見てるとポテチの和風化を極めようとしているように思う。プライドポテトは完全に日本のポテチだ。海外でこんな食感のポテチはない。発売当初から美味しかったプライドポテトの進化がすごいことになっている。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

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*1:佐藤章「これからは『第3の創業期』鍵は日本的な世界観の再構築」『Monthly BOSS』2017年12月号、10頁。

*2:富士経済『2016年食品マーケティング便覧No.1』155頁。

カルビー堅あげポテトの枝豆にんにく味を食べる

 

ずいぶんとニッチな味にしたものである。枝豆にんにくって。春が旬なのかな、と思ってネットで検索したら、枝豆の旬は6〜8月の夏だという。ビールのおつまみという印象の強い枝豆だが、実際ビールが一番美味しい夏が旬なわけで、なるほどどうりでビールとの相性がいいわけだ。

和食や健康食ブームの波に乗って、最近では海外でもよく見かける。アメリカのスーパーで売っているし、和食レストランであればほぼ確実に枝豆がメニューにある。ラーメン店にだってある。美味しくて食べやすい、そのうえ健康にいいとは、なんてパーフェクトな食べ物なんだ、枝豆って。

 

と、枝豆のパーフェクトさは認めつつ、ポテチとのフレーバーとしてはどうなんだろうか。そもそも枝豆にんにくってあまり聞いたことがない。最近の居酒屋では定番なのだろうか。枝豆+にんにくなんだから不味くなるはずはないし、それどころかめっちゃビールが進みそうだ。そうなんだけどね。そのポテンシャルは認めるんだけど、ずいぶんとニッチなフレーバーに挑戦したんだなぁ、と思う。なんか地味に聞こえるし。はたして消費者にアピールする組み合わせなのか?

 

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食べてみると、ああ、なるほどー、という味がする。封を開けた段階でほのかに枝豆の香りが漂う。にんにく風味が先にはくるもののそれほど強くはない。豆の素朴な味がする。にんにく枝豆を食べたことはないが、きっとこんな味なんだろう、と想像することができる、そんな仕上がりになっている。よくこんなニッチな味を開発したものだ。感心。でも、えだ豆にんにく味って知っているから再現度がわかるが、知らずに目隠しされたら味を当てられる自信はないなぁ。

 

さて、カルビーはどんな組み合わせでえだ豆にんにくを再現したのだろうか。原材料名を見てみよう。

 

じゃがいも、パーム油、米油、きな粉(大豆)、食塩、コーンスターチ、ガーリックパウダー、にんにく調味料、たん白加水分解液、粉末しょうゆ、ごま油、発酵調味料、えだ豆パウダー、調味料(アミノ酸等)、香料、香辛料抽出物、酸化防止剤(ビタミンC)

 

きな粉が入っているのか。えだ豆パウダーは入っているだろうとは思っていたが、きな粉とは恐れ入った。油はパーム油と米油の併用か。カルビーのポテチで米油はあまり見かけない。使っているのは知っていたが、パッケージで米油が載っているのを実際に見たことはなかった。米油のほうが口当たりが軽くなるが、米油の使用は味の再現のためか。それとも調達上の理由だろうか。

 

米油がポテチの仕上がりに与えた影響はわからなかったが、味は確かにえだ豆にんにくだった。再現度は高い。しかし、中毒度はいまひとつかな。

 

食べ終わって改めて思うのは、なぜこのフレーバーに挑戦しようと思ったのか。最近のフレーバー開発サイクルはとても速い。コンビニやスーパーに行けば次から次へと新たなフレーバーが投入されて、棚を埋め尽くしている。

恩恵を享受しておいてこんなこと言うのもよくないけれど、こんなに次から次へと新たな味を生み出さないとならんのだろうか。昔はこんなに次から次へと新フレーバーは投入されていなかったよな。過剰サービスにも思えるが、背景をたどればメーカー側が仕掛けている、というよりは消費者や小売の側からの要求なのかもしれない。コンビニって自分ん家の冷蔵庫のように日常的に使うから、いつもいつも同じ商品しか棚にないとお客さんに飽きられてしまうのかもしれないし、良くも悪くも日本人って努力やこだわりが好きだから、少しでも何かしらカイゼンしたり変えていかないと気が済まない人種なのかもしれないし、なんかもっと違う要因があるのかもしれないし。

 

枝豆にんにく味ももちろん美味しいんだけど、ここまでニッチなフレーバーを開発せにゃならんものなのか。これは本当に世に問いたい味だったのか。それとも加速する新フレーバー投入サイクルの中、むりやりひねり出されたフレーバーなのか。カルビーの開発陣はどのような経路をたどってこのフレーバーを開発しようという思いに至ったのか。話を聞いてみたい。ポテチぽりぽり食べながら、ふとそんなことを考えてしまうのであった。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。 

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

 

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湖池屋のポテトの素顔を食べる

ちょっと前のことになるが、湖池屋の「ポテトの素顔」を食べた。事もあろうに塩味さえついていない、Nakedタイプのポテチ。

ある漫画がポテチをジャガイモ、油、粉が織りなす総合芸術と評したが、であるなら、ポテトの素顔はその一角を占める粉を使わない、ポテチの存在意義さえ否定しかねない異端児だ。キリストは父、子、精霊の三位一体だが、ポテチの粉に相当するのはこのうちのどれだろう?精霊が最も非日常的な存在だろうから、精霊に相当するのは、やっぱり粉か。

精霊=粉、粉=精霊とすると、ポテチから粉を剥奪するということは、キリストから精霊を抜いて父と子だけの二位一体にしてしまうに匹敵する暴挙なのである。

 

↑ある漫画とはこれ。 

 

 

二位一体ポテチに私は懐疑的である。

 

だって、粉があるからポテチなんじゃないか。添加物が健康至上主義者たちによって法難のごとき迫害を受けていることは無論知っているし、ポテチloveの私とて粉の食い過ぎはよくないとは思う。が、ポテチから粉を抜いたら一体何が残るのか。いや、ジャガイモは残る。油も残る。でもやっぱ物足りなくありませんか?

 

と、ひとしきり不満をぶちまけてみたものの、これはどうやら私の誤解もあるようで、実のところ湖池屋さんは健康をうたい文句にしていない。

 

近年、様々な分野において顧客ニーズの多様化が進行していると言われておりますが、ポテトチップスにおいても「自分好みの塩加減にしたい」、「アレンジをしてみたい」などのセルフカスタマイズに対するご要望をいただくようになりました。

1962年の「湖池屋ポテトチップス のり塩」発売以来、日本産じゃがいも100%にこだわり、55年間以上に亘ってポテトチップスを作り続けてきましたが、このようなお客様のニーズの変化の兆しを捉え、ポテトチップスの老舗として何ができるのかを検討した結果、原材料:じゃがいも・植物油のみのポテトチップスを数量限定で商品化することにしました。じゃがいもを植物油で揚げ、あえて味付けせずにじゃがいもだけで作るポテトチップスが完成しました。何も隠すところのない、ありのままの素顔のポテトチップスの味わいをぜひ、この機会にお試しください。

 

koikeya.co.jp

 

そう、湖池屋さんは、「ポテトチップスにおいても「自分好みの塩加減にしたい」、「アレンジをしてみたい」などのセルフカスタマイズに対するご要望をいただくようになりました」として、その要望に応えるために「ポテトの素顔」を作ったというのだ。そんなにセルフカスタマイズの要望があるとは知らなかったが、べつに健康至上主義者の軍門に降ったわけではなかった。一安心である。

  

さて、散々ぶつくさ言ってきたが、いざ開封し、いざ食べてみると、案外ありなんじゃない?!というお味。

 

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あれ、意外に美味いかも、というか、ジャガイモと油だけでもけっこう美味しくなるのね、という発見というか。

袋を開けたときも唯一ジャガイモの香りだけがする。ポテチというより、スライスされた揚げジャガイモと形容したほうがいいかもしれない。事実ポテチはスライスされたジャガイモを揚げたものなんだから、そう思って当然なのだが、ポテチという名詞が与えられている以上、スライス揚げジャガイモwith粉は、ポテチという名称の食べ物であって、断じて単なるthinly sliced and fried potatoesではない。

他方で、ポテトの素顔はそうしたハイカラさはなくて、子供のおやつなり晩御飯の一品としてジャガイモをスライスして揚げてみました、とも言うべき、なんというか家庭の手作りおやつ的な素朴さなのだ。

 

普通の湖池屋ポテチよりもしっかり揚げられている気がする。少し焦げみのある香ばしさが強いのだ。だからより一層家庭的な素朴さを感じるのだろう。自宅で手作りで作ってみたら、ちょっと焦げちゃった、てへっ、みたいな。揚げ方は他の湖池屋ポテチと同じかのかもしれないが、味がついていないぶん、はっきりと香ばしさを感じられる。Nakedポテチもまんざら悪くないじゃんか。

 

でも、まぁ、一袋全部食べ切る頃には少し飽きるかな。食べ切りにするなら一袋30〜40グラムで十分だ。それも無理はなかろう。湖池屋さんのうたい文句のとおりなら、ポテトの素顔はセルフカスタマイズを想定した商品であり、であれば、単品で完食することは想定されていないのだから。

単品で完食するとなれば、飛行機で供されるおやつでもいいんじゃないだろうか。飛行機に乗るとあられとかプレッツェルをもらえる。油で揚げると酸化問題が発生するし、ポテチは健康面から敬遠する人もいるけど、単純に味や食べ応え感なら機内おやつに向いていると思った。でも、これはポテチloveの私だからこその感想かな。

 

ごちそうさま。次は何味を食べようか。

 

ちなみにポテチ入門書を書いたので、ご関心のある方は是非。

表紙とかもっとこだわるべきだったのでしょうが、ポテチについて最も体系的に整理された本だと自負しています(Kindle Unlimitedならタダです)。

 

 

 

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