深川油脂工業の無添加うすしお味を食べる
私の無添加に対する逆こだわり
あらかじめ言明しておきたいことがある。それは、私は食べ物に対して健康やオーガニック、化学調味料や食品添加物の不使用といったことを求めていない、ということである。私にとっての食べ物の評価基準は、唯一私の舌がそれを美味しいと感じるか否か。だから、仮にその食べ物がとても健康によかったとしても、私が美味しくない、と感じたらその食べ物は私にとって「悪」だし、昨今嫌われ者の化学調味料が入っていたとしても、それによって私が美味しく感じられるのであれば、その食べ物は「善」なのである。
もちろん私だって健康は気にする。いや、ポテチを愛好する者、ポテチストだからこそ、健康を気にするといえようか。自明の理であるが、健康でなければポテチは食べられない。不健康になったときに真っ先に食べてはならないものリストに掲載されるのは、ポテチを筆頭とするスナック菓子である。
それに私が勝手に感じている使命感がある。
すなわち、ポテチは不健康かつ不必要な食べ物だと思われている、不健康かつ不必要なものを食べるのは理性が快楽に敗北するだらしない人間である、という先入観を打破する人間でありたいのだ。
私は30代後半だが、痩せ型で人間ドックも優良な結果を叩き出している。ご飯は毎日朝昼晩三食食べる。どれもこれもポテチを愛するがゆえの努力、というわけではさすがにないが、それでも健康であることは私がポテチを楽しむ上で欠かせない要素には違いない。
さらに言えば私がだらしのない人間だと、やっぱりポテチなんざ所詮二流の人間が食べるものなのさ、と私が愛好するポテチがとばっちりで風評被害を被ってしまうのではないか、と危惧しているのである。私は自分を一流の人間だと言うつもりはさらさらないが、見た目は小綺麗にしている(しかし、オフィスの私のデスクはお世辞にも綺麗とはいえないが)。それもこれもポテチを愛するがゆえ、ではやっぱりないのだが、見た目の小綺麗さは何かしら自分の人生にプラスの恩恵をもたらしていることだろう。
もっとも実際にそうした風評被害につながるような非難を受けたことはないし、今後もあまり受けそうにないので、これは完全に私の独り相撲であることは重々承知している。
最近は、食品添加物などが無添加のポテチも少なくない。しかし、私は無添加だから素晴らしい、と評価することはない。無添加だから(なのに)美味しいとか、その要素が美味しさに貢献して、はじめて私は無添加を評価する。
深川油脂工業株式会社
何の前触れもなくなぜ滔々と健康やら無添加やらについて熱く語ったのかといえば、今回食べたのが深川油脂工業株式会社(以下、深川油脂工業)のポテチだからである。同社のポテチは化学調味料・保存料不使用。
深川油脂工業は、1941年に創業、米ぬかから搾油する事業を行っていた。本社所在地は、会社名が示すとおり深川であるが、深川めしで有名な東京の深川ではなく、北海道の深川市である。1971年にポテチ工場を落成、ポテチ市場に参入する。このポテチ市場参入が同社の食品加工事業のはじまりで、その後ポップコーン製造にも手を広げている。
なぜ食品加工事業としてポテチを選んだのか。
同社のウェブサイトによると、コメ油を使ってできることはないかと模索していたところ、当時の取引先からポテチ製造の提案を受けたことが契機となった。深川油脂工業のポテチは、「くまちゃんポテトチップス」のブランド名で販売されているが、これは北海道の企業なのでそれらしい愛称を付けたいという思いから生まれたものである。
こめ油の搾油事業として誕生した企業だけあって、深川油脂工業は、油に対する思いが強い。通常はパーム油を使用しているものの、期間限定でこめ油でポテチを製造している。
同社の社長曰く、こめ油は素材の味を引き出す特徴を持つとされ、ポテチ製造に際しては、原料であるジャガイモの味を大切にすることに配慮している(ota25(著)、大谷さん(編)『ジャガイモ学 日本ポテトチップス史』大谷号、2016年、39頁)。特にこめ油はポテチの大敵である酸化に強いという特徴を持つ。そのため、他社でもこめ油を配合した植物油を使ってポテチ製造をしており、こめ油を使用すること自体はさほど珍しくはないが、こめ油100%にこだわるのは深川油脂工業ならではこだわりといえるだろう。
実食
味付けは塩のみ、というシンプルイズベストのうすしお味。厚さは馴染みのカルビーと湖池屋で例えれば、厚さ薄めのカルビーに近い感じか。だから、 食感は軽く、口に入れるとパリッと小気味よく砕かれていく。シンプルだからこそジャガイモの風味がわかる。
これはパクパクいけてしまう。袋の中に手を突っ込む速度が衰えない。味付けの濃さは標準的か。菊水堂のような薄味ではない。今週の東京は暑かったから、適度な塩気がさらにポテチ食欲を刺激する。
化学調味料や保存料不使用が味や食感にどのような影響を与えるのか正直わたしはよくわからないのだが、もし、ジャガイモの風味や軽い食感につながっているとすれば、なるほど化学調味料・保存料不使用というのもなかなか悪くない。カルビーや湖池屋のポテチも大好きだけど、化学調味料や保存料を使わないことにこだわる会社があってもいい。ダイバーシティ万歳だ。
それに、考えようによっては、この深川油脂工業のうすしおポテチが日本で食べられる最も王道のうすしおポテチであるように思う。
カルビーや湖池屋は品質の安定のために意図的に旨味系調味料を使って味付けする。お取り寄せポテチの代表格、菊水堂のポテチはやや塩分が控えめでジャガイモの風味を際立たせる。九州の雄フクハクはかなり厚めの食べ応えのあるポテチ。とすると、厚さが薄く塩のみで味付けする深川油脂工業の無添加ポテチは、案外最もベーシックなポテチらしいポテチのような気がするのだ。
結局、化学調味料・保存料不使用のポテチも美味しい、そういう平凡だが深遠なる結論に到達したのであった。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
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松浦食品のかつお節ポテトチップスを食べる
松浦食品のかつお節ポテトチップスを食べる
今回は松浦食品の「かつお節ポテトチップス」である。静岡市に出張する予定があり、帰りがけにお土産屋に寄ったところ松浦食品のポテチがたくさん並んでいた。そのうちの一つがこのかつお節ポテチだったのである。
販売元は、かつお節を製造する昭和10年創業の新丸正だが、ここではポテチの製造元である松浦食品にスポットを当てる。
「マツコの知らない世界」や「NIKKEI STYLE」で絶賛されているから、ご存じの読者諸賢もさぞ多かろうと推察する。私もその噂はかねがね聞き及んでいるところであり、以前よりいつかは食べたい憧れのポテチであった。
添付されているかつお節を混ぜて食べるという珍しいポテチである。後から振りかける系では、以前激辛カレー味ポテチを食べたことがあるが、激辛ポテチがある種のイロモノであるとすれば、かつお節ポテチはそれに比べると味への期待値がはるかに高い。
松浦食品有限会社
かつお節ポテチを製造しているのは松浦食品有限会社。静岡県榛原郡(はいばらぐん)に所在する会社である。榛原郡は静岡市と隣接しているから、それで静岡駅のお土産屋でたくさん取り扱われていたのだろう。同社自体もポテチを製造し、お取り寄せもできるのだが、OEMも数多く手がけており、同社名でなかったとしても実は松浦食品が製造している、ということはよくあるのだ。パッケージではOEMの会社が表記されないことが多いが、松浦食品が製造したポテチは実は見分けるのは簡単。パッケージ上部のかたちがよくあるギザギザではなく、水平になっているのが松浦食品製造の証である(ota25著、大谷さん編『ジャガイモ学 日本ポテトチップス史』大谷号、2016年、45頁)。
当時は未熟ゆえにこの見分け方を知らなかったが、以前食べて美味しかった浜名湖産ののりしお味ポテチも松浦食品が製造していたのであった。
↑パッケージの上部が水平でギザギザになっていない。
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実食
さて、実食である。
かつお節を振りかける前のポテチを一枚食べてみたが、この時点でしっかりかつお節風味の味付けがなされている。
すでにして美味い。
NIKKEI STYLEは塩味が控えめと書いてあるが、個人的には味付けはしっかりついている気がした。
上述のとおり松浦食品は数多くのOEMを手がけており、なかにはXX味なのにXXの味がしなくない??みたいな商品があったりして(恐らく予算や納期の都合があったのだろう)、かつお節をかけるポテチなんていうなんかイロモノなんじゃないの〜という疑いが胸の奥の片隅にあったのは否めなかったのだが、これは相当に「アリ」だ。「大アリ」だ。
↑抹茶ポテチは抹茶の味はあまりしなかった。
しかし、本番はこれから。かつお節振りかけの儀式に入る。
シャカシャカ、シャカシャカシャカ。
ポテチにかつお節がまぶされる、というあまり目にすることのない光景。互いにどこにでもある食べ物であり、日本のポテチの味付けとしてかつお節が使用されるのは珍しくないのだが、パウダーになることなく物理的に結合している様は希少である。
かつお節がまぶされることで、(当たり前だが)かつお節の旨味がさらに増幅される。ポテチに付着するかつお節が最初に舌に接触、かつお節それ自体の風味が口の中に広がったところに、かつお節の味付けがなされたポテチが後を追う。
NIKKEI STYLEが大人のポテチ10選のうち、第1位に選ばれたのは納得。味もかつお節をふりふりするというプロセスも楽しめる、一袋で二度おいしいイベント向けのポテチでもある。
おやつとして秀逸ながら、子供向けというよりは大人こそ満足できる逸品。ポテトチップス73グラム+かつお節1グラムはあっという間に私の胃袋の中に収まった。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
↑かつお節が入っているだけに、興味津々。
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カルビーのポテリッチ絶品うま塩味や新幹線限定チップスターを食べる
カルビーのポテチ増量
カルビーのポテチが軒並み増量されている。うれしいことである。
会社で食べているポテチは写真を撮っていないが、当然ながら私はこの恩恵に浴してい て、会社でもポテチに手を伸ばしてしまう。20パーセント増量されていても、気づけば完食。ポテチストがこんなことを言うのは、踏み絵を踏まされたキリシタンのようでバツが悪いが、確かに健康にはよくなかろう。
実は当のカルビーだって、一日に一人で一袋食べることは推奨していない。カルビーは子供たちにスナック菓子に関する正しい知識と理解を深め、実践力を養ってもらうための「カルビー・スナックスクール」という活動を行ったりしている。
そのなかで、ポテチのおやつとしての適量や食べる時間などを考えてもらう授業を行っているのだが、カルビーは、1日に必要なエネルギーの10ー15%を小学校のおやつの目安量としている。なので、たとえば1日の消費カロリーが2,300キロカロリーとしたら、おやつの適量は230ー350キロカロリーということになる*1。
ポテチ一袋は80グラムで400キロから500キロカロリーくらい。したがって、一人で一日に一袋は多すぎるのである。健康にいい食べ物でさえ食べ過ぎは禁物。いくら美味しいからといって無闇矢鱈に食べてはならない。それでも食べてしまう私の意志の弱さは始末に終えない。
で、カルビーのポテリッチう絶品うま塩味を食べているのである。絶品うま塩味については以前にブログで書いているので、こちらを読んでいただけるととてもうれしい。
絶品うま塩味。旨味と塩味が並列にされているが、旨味系フレーバーのほうが存在感がある。塩味系のポテチとしてはかなり味が濃いほうだろう。
東海道新幹線限定チップスター「松坂牛ステーキ味」を食べる
静岡に出張の予定があったため新幹線で移動。道中で食べたポテチがチップスターの「松坂牛ステーキ味」。ビーフエキスに松坂牛が使われている。しょうゆも三重県産を使用しているところにこだわりを感じる。
味は松坂牛かと言われると、かなり困る。ほんのりとビーフの風味がする、という表現が適切か。
JR東海新幹線限定チップスターは他にもあって、私は以前二つの味(「伊勢えび味」と「海の精焼き塩使用しお味」を食べている。これで三つ目。新幹線に乗る楽しみがまた一つ増えた。
ごちそうさま。さて、次は何味を食べようか。
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湖池屋の塩味ポテチの食べ比べ〜プライドポテトの本格うすしお、平釜の塩、東急ストア限定のSalt Only〜
湖池屋の塩味系ポテチを食べる
地元の東急ストアで買ったポテチを食べた。東急ストアに限らず売られているプライドポテトの「本格うすしお味」と「長崎 平釜の塩」と、もう一つは東急ストア限定とされる「Salt Only」。原材料名を見ると、本格うすしお味と平釜の塩には昆布エキスパウダーなど塩以外の材料が使用されているのに対して、Salt Onlyは文字通り塩のみの味付け。パッケージはプライドポテトシリーズと同じ縦型タイプなり。一瞬プライドポテトシリーズの最新作かと思ったが、パッケージを見る限りそうではないようだ(パッケージの写真は本文の最後に掲載)。
プライドポテトシリーズの裏面の料理人さんは誰?
Salt Onlyは63グラムで148円。スーパーではその量のポテチがセール品として100円未満で売られていることが多いから、この金額はスーパーのポテチとしては破格と言ってよい。
これは、湖池屋の戦略が奏功している証であろう。湖池屋のポテチに限らないが、ポテチというのはスーパーでの特番が常態化し、完全なるコモディティー商品となっている。それゆえ、われわれ消費者としては美味しいポテチを安価に食べられる恩恵に浴しているわけだが、売る方としてはもっと高い値段で売りたかろう。とはいえ、余程こだわりのある人でない限り、たとえばうすしお味を買う場合、湖池屋でもカルビーでもどっちでもいいという人が大半のはずだ。したがって、湖池屋が高く売りたいと思って値上げしても、カルビーが安い値段に据え置くと、客がカルビーに取られてしまう。
そこでカルビーとは差別化し、高価格でも売れるポテチとして発売されたのが、湖池屋のプライドポテトシリーズだったというわけである。
プライドポテトシリーズを買った人であれば気づいているだろうが、パッケージの裏側には料理人さんの写真が掲載されている。私自身、実在の料理人だと思っていたのだが、実は違って、湖池屋のマーケティング本部商品開発部の部長である白井秀隆さんという方だそうだ(「ものつくるひと 第95回『KOIKEYA PRIDE POTATO』白井秀隆」『ダイヤモンド』2017年11月18日号、127頁)。
白井さん自身が望んだわけではなく、湖池屋品質の考え方のひとつに「料理人がいる湖池屋」という素材のうまさを引き出すという考え方があること、商品に携わった人の想いが宿っていなければならない、ということで、社長のアイデアにより白井さんがパッケージの裏面を飾ることになったのである(同上、127頁)。
こういう新しい発想を盛り込んでくるあたり、プライドポテトにかける湖池屋の熱い想いが伝わってくる。
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実食
それで、食べた感想であるが、Salt Only→本格うすしお→平釜の塩の順番で、まぐろ節や昆布といった旨み系に味が効いてくる。食べ比べでなければ、平釜の塩は、もっともポピュラーなうすしお系の味と感じるが、旨み系の原材料を含まないSalt Onlyと食べ比べると、むしろ「出汁味?」と感じるほど、旨み系の味が強くなっている。食べるにつれて舌が慣れるのか、平釜の塩味でも塩を感じられるようになる。平釜の塩は堅揚げほどではないが、やや厚みがあって食べ応えがある。
全体的に油切れがよく軽い口当たり。本格うすしおはほんのりとしたまぐろ節の風味。単独で食べればまぐろ節が入っていると気づかないくらいのほんのり加減。塩だけで味付けしたポテチは海外ではよく見かけるが、それらの海外勢に比べてSalt Onlyは、だいぶ油っぽくないように思う。じゃがいもを油で揚げるという単純極まりないお菓子。ノンフライポテチは物足りなく感じるが、さりとて油っぽい(もしくは酸化している)ポテチはポテチ本来の美味しさが損なわれている。だから、油っぽくなく軽い口当たりを実現するのは単純なお菓子だからこそ重要になるのであり、湖池屋のポテチのクオリティは同社がポテチ製造の工程をしっかり磨き上げたからこそ実現した成果なのである。
今回食べた3つの中でどれが最も好みかと問われれば、私はしょっぱ口なので平釜の塩が一番好みである。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
ちなみに湖池屋のポテチといえば、こういった記事も書いているので、ご高覧いただきたい。
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カルビーのビーフ味の進化を見る&山芳のmikeバターしょうゆビーフ味を食べる
カルビーのポテリッチ、炙り和牛と塩味とグリルビーフ味を食べる
カルビーのポテリッチの炙り和牛と塩味とグリルビーフ味を食べた。
ポテリッチは意外にもそれほど濃い味ではない。和牛は仙台牛100%のビーフパウダー。ビーフ味はほんのりといった感じだが、ビーフ系ポテチに多い胡椒風味が効いた赤身肉ステーキ風よりはやや脂質多めのステーキ感はある(仙台牛ビーフパウダーによるプラシーボ効果??)。ビーフ感が控えめなのは、和牛という高級肉感を出すための演出かもしれない。
ここで食べ比べてみたのがカルビーが1980年代の復刻版として出している、グリルビーフ味である。カルビーがフレーバーの多角化を進めたのが1980年代半ばからだから、その流れに乗って登場したポテチなのだろう。
カルビー味の多様化の背景
1960年代初頭から日本人のカロリー摂取量が増加基調になるのだが、1972年に増加のピークを迎える。これは、食べ物の嗜好が量から質に移る転換点であった。それまでカルビーはポテチを量産することで売り上げを拡大してきたが、量産型がやがて行き詰まるようになる。それが1985年頃のことであり、この事態に直面したカルビーは、客の選択肢を拡大させるため、様々なフレーバーのポテチを投入する。豊かな時代になれば選択肢が多いほうが好まれるというわけで、フレーバーの多角化によりカルビーはポテチマーケットの拡大に成功したのである*1。
実際、グリルビーフ味のパッケージには1987年の味とパッケージを再現したと書いてある。ということは、やはりグリルビーフ味は、カルビーの味の多角化戦略の中で誕生したポテチなのだろう。
炙り和牛とグリルビーフの食べ比べ
で、ポテリッチとの食べ比べである。ポテリッチと通常のポテチとでは厚みが違うため単純な比較はできないが、たしかに食べ比べてみるとポテリッチに和牛を感じる。原材料は両者ほとんど同じ。オニオンパウダーかガーリックパウダーかどうか、ポテリッチにチキンパウダーが入っているくらいで、そのほかの大きな違いといえば、ポテリッチのビーフパウダーが仙台牛100%であることだ。パウダーになってしまえばブランド牛だろうが普通の肉牛だろうが、大きな違いはあるまいと予想していたが、実際には大きな違いが現れるのかもしれない。
名前 | ポテリッチ炙り和牛と塩味 | グリルビーフ | mike バターしょうゆビーフ |
メーカー | カルビー | カルビー | 山芳 |
原材料名 | じゃがいも | じゃがいも | 馬鈴薯 |
植物油 | 植物油 | 植物油脂 | |
砂糖 | 砂糖 | 粉末醤油 | |
食塩 | 食塩 | ぶどう糖 | |
コーンスターチ | デキストリン | 砂糖 | |
ビーフパウダー(仙台牛100%使用)(小麦・大豆・豚肉を含む) | ビーフパウダー(小麦・大豆・鶏肉・豚肉を含む) | 麦芽糖 | |
デキストリン | コーンスターチ | バターパウダー | |
酵母エキスパウダー | 粉末しょうゆ | 食塩 | |
たん白加水分解液 | 酵母エキスパウダー(乳成分を含む) | かつおぶしエキスパウダー(魚醤(魚介類)を含む) | |
ガーリックパウダー | オニオンパウダー | 酵母エキスパウダー | |
粉末しょうゆ | 調味動物油脂 | 昆布エキスパウダー(鶏肉・豚肉を含む) | |
こしょう | 香味油 | デキストリン | |
粉末植物油脂 | ジンジャーパウダー | ビーフエキスパウダー | |
チキンパウダー | 調味料(アミノ酸等) | 調味料(アミノ酸等) | |
乳等を主要原料とする食品/調味料(アミノ酸等) | 香料(ごまを含む) | 香料 | |
香料 | カラメル色素 | カラメル色素 | |
酸味料 | 酸味料 | ||
カラメル色素 | 香辛料抽出物 |
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味の違いをたとえるならば、復刻版のグリルビーフ味は、よく駄菓子で見かける「ポテトスナック」のステーキ味に近く、ポテリッチはスーパーで買った和牛を焼いて食べた味といったところだ。
1980年代はビーフ味を出すこと自体が新たな取り組みであったろう。やがてビーフ味は珍しいフレーバーではなくなり(山芳のわさビーフもあるし)、ビーフ系と一口に言っても、ビーフ+αなのか、和牛なのかといった、ビーフ系味の進化のビッグバンが起きているのである。
山芳のフリトレーコラボ、mikeバターしょうゆビーフ味を食べる
ビーフ系ポテチの代表格の「わさビーフ」が世に登場したのは奇しくもカルビーのグリルビーフ味が発売された1987年。わさビーフもポテチ業界の味の多様化の流れに乗って登場したポテチだったようだ。山芳の社長がこうした時代の流れを読んでわさビーフを開発したのか、それとも単なる偶然だったのかはよくわからないが、ポテチ業界の時代の流れを俯瞰してみると、わさビーフが発売されたのは絶妙なタイミングであったことがわかる。
というわけで、ついでながら、山芳のフリトレーとのコラボポテチも食べる。この商品はフリトレーのmikeポップコーンバターしょうゆを再現している。
フリトレーはアメリカのペプシコのお菓子ブランド。もともとは単独の企業だったが、ペプシコと合併して今に至る。ちなみにカルビーとペプシコも業務提携をしているが、にもかかわらず山芳とコラボ製品出してもOKのようだ。
山芳のバターしょうゆビーフ味は、ビーフ感よりはバターしょうゆ感が際立つ。私はポップコーンを食べていないのでオリジナルの再現度は判断できないものの、バターしょうゆってB級感ハンパないながらも、人に問答無用でうまいって言わせるパワーがあるように思う。バターしょうゆはB級グルメたるポテチとの相性抜群の最強タッグだ。味は読者諸賢みなさまが想像されるとおり。スナック菓子として模範的な美味しさであった。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
ちなみにグリルビーフと同じくカルビーが1980年代の復刻版として出したのが「エスニカン」。食べた感想はこちら。あわせてご参照ください。
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テラフーズの超!ゆずこしょう味を食べる
テラフーズの超!ゆずこしょう味
今回はテラフーズの超ゆずこしょうポテトチップスを食べた。会社近くのナチュラルローソンで購入。
油で揚げないノンフライ製法で作られている。
45グラムで197キロカロリー。1グラムあたり約4.4キロカロリー。
通常のポテチが80グラムで450キロカロリーとすると、1グラムあたり約5.6キロカロリーだから、通常ポテチの8割くらいのカロリーということになる。20パーセントもカットされるなんてすごい、となるか、油で揚げなくても思いのほかカロリーってあるもんだな、となるかは人それぞれであろう。
私は後者である。計算してみて思ったほど減らないことに驚いた。
とはいえ、チリも積もれば山となる。毎日ポテチを食べるならば、20パーセントのカロリー削減は健康面から見てとてもナイスなことである。健康のためにポテチをやめる気は無いとしても、健康であるに越したことはないし、逆説的ながら健康でなければポテチは食べられない。病気になってドクターストップがかかったら、どんなに食べたくてもポテチを食べることが出来ないからだ。そこまで極端でなくても、あまりに太ったりすれば家族友人から窘められてしまうだろう。
実食
健康とポテチの両立を夢見て、実食である。
率直な感想としては、ポテチっぽくない。油で揚げないとこうも変わるか、と思うほど。完全にポテチとは別の食べ物である。口当たりはとても軽い。えびせんをさらに軽くした感じ、と言ったら一番イメージに近いだろうか。
私個人の感想としてはポテチに期待する食べ応えや中毒性は感じられなかった。ポテチですよー、って言われてこのお菓子が出てきたら、正直期待ハズレって感じてしまう。
ハンバーグだと思っていたら、豆腐ハンバーグだった、みたいな。
豆腐ハンバーグは豆腐ハンバーグで美味しいように、テラフーズの柚子こしょうポテチもお菓子としては美味しい。柚子こしょうの風味がきっちり効いていて、ピリリと刺激的。
ポテチという先入観がなければ、ジャガイモスナック菓子として成立していただろうし、健康上の理由により通常のポテチを食べられない、だけどポテチは食べたいという人にとっては福音に違いない。
ただ、値段は高い。ロットが少ないから単価が高くなるのか、こだわり素材&製法だから高くなるのか。
株式会社テラフーズ
テラフーズは創業が2000年、会社設立が2013年というポテチ界の新興勢力である。事業内容を同社のウェブサイトから抜粋しよう。
独自の膨化技術および遠赤外線焼成による特許製法を用いた、ノンフライのポテトチップスなどスナック菓子の開発、製造、販売およびライセンス供与事業。
遠赤焼成加工食品の開発、製造、販売。製造設備の開発、販売。
これまた最近の会社らしく新商品開発のためにクラウドファンディングをやっている。私が食べたポテチはどうやらクラウドファンディングで開発された商品だったようだ。ノンフライで健康的なポテチ、たしかにクラウドファンディングにもってこいのテーマである。
ちなみにこちらの紹介記事だと、カロリーは通常のポテチの三分の一程度とされる。実際のカロリー表示に基づくと、三分の一までにはならないように思うが、私の計算方法が間違っているのかもしれない。
こう書くと、なんかテラフーズをディスってるように見えてしまって本望ではないので、テラフーズポテチのすごいところ、すなわち、フレーバーとなる原料をジャガイモにそのまま練りこむことができる技術について触れておこう。
通常のポテチはフレーバーを吹き付けて味付けをする。対してテラフーズのポテチはフレーバーをジャガイモに練りこむ。じゃあ、それによってどういう違いが生じるのって話なわけだが、それによって原料の風味を感じられるようになるらしい。
言われてからこう言うのは後出しジャンケンのようだが、確かに柚子胡椒はかなりピリッと刺激的な風味が際立っていたのだ。そうか、そもそもフレーバーの付け方が通常ポテチと違うのか、と聞けば納得である。
食べ応えという点では個人的には物足りないものの、新たなフレーバーの可能性を切り拓くテラフーズに今後も注目する必要がありそうだ。ナチュラルローソンには塩味とか他にもフレーバーが売っていたから、まずはそのあたりを試そうか。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
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カルビーと湖池屋の辛味系ポテチを食べる:エスニカンとカラムーチョ
カルビーと湖池屋の辛味対決
カラムーチョは日本のポテチを代表するフレーバーだ。ポテチなんて食べないという人も、カラムーチョの名前を知ってるし、食べたことない人を探すことも難しいかもしれない。それくらい、カラムーチョは社会に根付いたお菓子と言えるだろう。
無論、私も生涯において何百袋というカラムーチョを食べてきたわけだが、ここ最近は新作ポテチやこだわりお取り寄せポテチに軸足を置く日々が続いたから、しばらくカラムーチョを食べていなかった。
そんななか、コンビニに行ったらカラムーチョの新作が出ていたし、さらに面白いのが、湖池屋に対抗するが如くカルビーが同社の辛味ポテチであるエスニカンを復刻発売していて、桜が散り始めたこの時期に二強の辛味ポテチ対決が突如として実現したのである。カラムーチョは新作も出ていたが、エスニカンと比べたかったので、商品棚にあったカラムーチョのホットチリ味を追加で購入した。
↑エスニカンのパッケージ裏
↑カラムーチョのパッケージ裏
食べる前に、エスニカンとカラムーチョのホットチリ味の原材料を比較しよう。
名前 | エスニカン | カラムーチョ |
メーカー | カルビー | 湖池屋 |
原材料名 | じゃがいも | 馬鈴薯 |
植物油 | 植物油 | |
チリパウダー | 香辛料(大豆を含む) | |
食塩 | 砂糖 | |
砂糖 | 食塩 | |
コーンスターチ | チキンエキスパウダー | |
オニオンパウダー | たんぱく加水分解物(乳成分・大豆を含む) | |
粉末しょうゆ(小麦・大豆を含む) | ぶどう糖 | |
チキンパウダー(豚肉を含む) | 野菜エキスパウダー(乳成分・大豆・豚肉・ゼラチンを含む) | |
トマトパウダー | オリゴ糖 | |
酵母エキスパウダー | 調味料(アミノ酸糖) | |
唐辛子 | パプリカ色素 | |
ビーフパウダー | 酸味料 | |
ガーリックパウダー | 香辛料抽出物 | |
調味動物油脂 | カラメル色素 | |
香味油 | 香料 | |
調味料(アミノ酸等) | ||
着色料(カロチノイド、カラメル) | ||
酸味料 | ||
香料 | ||
甘味料(ステビア:乳成分を含む) | ||
香辛料抽出物 |
香辛料系が共通に含まれるのは当然として、違いがあるのは、エスニカンのほうが様々な原材料が使われていて、コーンスターチやトマトパウダー、ビーフパウダーなどが入っていることだろうか。余談ながら気になるのが、カルビーのチキンパウダー。チキンパウダーなのに、豚肉が含まれている。これいかに?
カルビーのエスニカンを食べる
まずはカルビーのエスニカンだ。今回は復刻版としての登場ということで、もともとは1986年に発売された商品。幼い頃食べたことがあったのかもしれないが、もはや記憶に残っていない。
その名が示すとおり、エスニック感覚のポテチを志向していて、パッケージの風合いからして、明らかにメキシコなどの中南米がイメージされているように見える。
はてなキーワードでは、エスニック料理とは、「韓国、ベトナム、アラブ、メキシコ、インド、タイのスパイシーな料理を指す場合がある」と説明されているものの、私個人としては、エスニックというと東南アジアを中心とする、アジア・アフリカ圏をイメージするのであった。それは決して私だけではないようで、たとえば、女を口説くため(?)のお店をたくさん紹介する『東京カレンダー』のおすすめエスニック料理は、すべてアジア・アフリカ系の料理で、中南米のものは一切入っていない。
エスニカンを実際に食べてみると、メキシコ料理によくあるトルティーヤのような感じがする。チリパウダーの風味も効いている。トルティーヤっぽく感じるのは、コーンスターチのせいだろうか?中南米では牛肉もよく食べられるから、ビーフパウダーも中南米っぽさに一役買っているかもしれない。全体的に、カラムーチョと比べるとだいぶ中南米感が強化されているように思う。
同じ辛味系ながら、カラムーチョとは一味違って、これはこれで美味しい。継続的に販売されていないことを踏まえると、当時はイマイチ根付かなかったか、カラムーチョの二番煎じと受けとられたか、なんにせよ期待したほどの売り上げがなかったのかもしれないが、なかなかどうして、定番品になってもおかしくないくらいちゃんと美味しいではないか。
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湖池屋のカラムーチョを食べる
お次はカラムーチョ。湖池屋を代表するポテチというより、もはや日本を代表するポテチと言っても決して誇張ではない。
カラムーチョの名前は、日本語の「辛い」とスペイン語の「ムーチョ」(たくさんの意味)を合わせた造語で、辛いポテチをたくさん食べて欲しいという思いが込められているそうだ*1。
エスニカンと比べるとマイルドに感じる。チキンエキスパウダーが効いているのか、辛さの中に旨味を感じる。カラムーチョとよくある非辛味系のフレーバーと比べるともちろんカラムーチョは辛いのだが、辛味系ポテチ同士で比べると、必ずしもカラムーチョが辛いわけではないことがわかる。そのためだろう、エスニカンと比べると旨味が感じられるのだ。この辛味系ポテチながら旨味が感じられるところが、カラムーチョが根付いた要因だと思った。
パッケージの裏面には、カラムーチョ発売当時は全く売れなかったという苦労話が載っている。カラムーチョが発売された1980年代前半は、スナック菓子は女性や子供向けで、辛いお菓子という市場は存在しなかった。だから、流通の反応は厳しく、200円という価格設定も100円前後が普通のポテチ価格からすれば、かなり割高感があった*2。さらに言えば、社内的にも当初はたいそう評判が悪かったそうだ。
ちなみに、こちらはアメリカで売っていたカラムーチョのHot Chili with Seaweed味を食べたときの感想。日本のカラムーチョにも砂糖は入っているものの、甘みは感じない。しかし、向こうで販売されていたカラムーチョはしっかり甘みが感じられたのだ。それにそれほど辛くもなかったし。
カラムーチョ厚切りベーコンペッパーを食べる
比較ではないけど、カラムーチョの厚切りベーコンペッパー味が発売されていたから、こちらも食べてみた。ペッパーがすごい効いていて、カラムーチョながら唐辛子系の辛さではなくて、ペッパー系のピリピリした辛さである。これはこれで美味しいけれど、カラムーチョならやはり王道の唐辛子系辛味のほうが個人的には好みである。
ごちそうさま。次は何味を食べようか。
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